樟南4大会ぶり甲子園に「王手」 145キロ左腕・西田“仏の教え”で粘りの2失点完投

[ 2021年7月25日 05:30 ]

全国高校野球選手権鹿児島準決勝   樟南5ー2れいめい ( 2021年7月24日    平和リース )

鹿児島準決勝<樟南・れいめい>8回に2点打を決めた麦生田(中央)は長沢の中前適時打で二塁から両手を突き上げながら6点目のホームイン
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 第103回全国高校野球選手権(8月9日から17日間、甲子園)の地方大会は24日、27大会で86試合が行われた。鹿児島大会では、樟南が5―2でれいめいを下し決勝進出。145キロ左腕・西田恒河投手(3年)が2失点完投と好投した。あす26日の決勝で鹿児島実と対戦する。

 大会屈指の145キロ左腕、西田恒河(ごうが、3年)が9安打を許したが2失点完投。樟南は優勝した16年以来の決勝進出を決めた。

 「前半は真っすぐを主体にリズムよく投げられた。後半は高めに浮いて制球が甘くなった」

 味方が8回に大量得点したその裏、4長短打を集められて2点を失った。それでも切れのいい直球とスライダー、カットボール、チェンジアップ、ツーシームなど多彩な変化球で追撃を振り切った。今大会5試合目の先発で38回2/3を投げて奪三振はイニング数を上回る42。奪三振数、奪三振率9・78はともに今大会No・1の数字だ。

 西田はさつま町宮之城にある浄土真宗「善妙寺」の長男。名前の「恒河」は仏教の聖地インドを流れる悠久の大河ガンジスにちなみ名付けられた。「お経は読めないけれど本堂の拭き掃除は小さい頃からやってきた。仏教からは集中心を学びました」と西田。ピンチでは仏の教えを思い出し、集中力でれいめいを抑えた。

 負けられない理由がある。中学までのチームメートの存在だ。宮之城スポーツ少年団、宮之城中野球部を通じてともにプレーした明豊(大分)の左腕・太田虎次朗は今春センバツで準優勝した。「応援する気持ちとうらやましいと思う部分もあった。だからこの夏は甲子園で会おうと約束した」。試合前日も連絡を取り合い、健闘を誓い合った。前身の鹿児島商工から通算20回目の夏の甲子園へ「決勝も集中して投げるだけ」と西田。ガンジスの流れのように悠々と挑む。(中島 泉)

◇西田 恒河(にしだ・ごうが)2003年(平15)5月10日生まれ、鹿児島県出身の18歳。さつま町立盈(えい)進小1年の時に野球を始める。宮之城中では軟式野球部に所属。高校では1年春からベンチ入り。同秋から背番号1をつける。1メートル75、76キロ。左投げ左打ち。

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