マー君 侍J選出なら背番「18」 国際経験豊富&精神的支柱を期待

[ 2021年6月15日 05:32 ]

12年、台湾との東日本大震災復興チャリティーマッチで日本代表として「18」を背負った田中将

 東京五輪で金メダルを目指す侍ジャパンの代表有力候補である楽天・田中将大投手(32)が選出された場合、背番号18をつけることが14日、分かった。08年の北京五輪や、09、13年と2度のWBCなど国際大会の経験が豊富な右腕にとって、本大会で日の丸の背番号18を背負うのは自身初。東京五輪に出場する24選手は、近日中に内定者が発表される。

 侍ジャパンの先発投手候補は他に、巨人・菅野、オリックス・山本、中日・大野雄、広島・森下と計5投手が挙がっている。そのうち22番の大野雄を除く4人が所属チームで背番号18。一人しかつけられない栄光の日の丸の18番を、田中将が背負う。

 国際大会経験が豊富な田中将。12年3月の東日本大震災復興チャリティーマッチの台湾戦で代表の18番をつけたことがあるが、正式な国際大会では18に縁がなかった。08年北京五輪と09年のWBCは15番。エースとして期待された13年のWBCは17番だった。ヤンキースから楽天に復帰した今季、8年ぶりに背負った背番号18。「18番でプロのキャリアをスタートさせた。18番というのはエースナンバーという印象。結果や姿で示していけたら」と思い入れの強さを改めて口にしていた。

 日本代表は背番号が重なる場合、年長者を優先させる慣例もある。菅野は11番、山本は17番、森下は15番を候補に調整されている。

 今季、田中将は右ふくらはぎ痛で出遅れたが、4月17日の日本ハム戦で復帰以降、中6日のローテーションを守り9試合に先発。援護に恵まれず2勝4敗も、防御率2・90と安定感を見せている。最近5試合連続でクオリティースタート(6回以上、自責点3以下)を達成。状態も上向きな上に、メジャーを含めた豊富な国際経験に精神的支柱としての期待も大きい。過去、世界一をつかんだ国際大会は全て、18番のエースが中心にいた。06、09年のWBCは松坂(現西武)が背負い2大会連続MVP。19年プレミア12は山口(現巨人)がチーム最多の3試合に先発と奮投した。

 11日に札幌ドームで行われた侍ジャパン壮行式で、稲葉監督は「五輪の借りは五輪で返す決意で臨み、皆さまに最高の報告をしたい」と約束。4位に終わった北京五輪メンバーでは唯一、今回の五輪メンバーとなる可能性が高い右腕が、金メダルを目指す戦いの中心になる。

≪田中将が出場した主な国際大会≫ ☆08年北京五輪 代表最年少の19歳で選出され、背番号は15。3試合に救援登板し計7回3安打無失点、9奪三振。チームは3位決定戦で敗れ4位でメダルを逃した。

 ☆09年WBC 再び代表最年少の20歳で選出され背番号15。4試合に救援で投げ、2回1/3を3安打1失点。準決勝の米国戦では4点リードの7回に登板し、ジーターを遊ゴロに抑えるなど1イニングを無失点で勝利に貢献。チームは06年の前回大会に続き連覇を達成した。

 ☆13年WBC 背番号17でエースの期待を懸けられたが、状態が上がらず不調。開幕ブラジル戦に先発も2回4安打1失点で降板し、以降は救援に回った。その後も3試合連続失点と復調せず。チームは準決勝で敗れて、ベスト4に終わった。

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