ソフトバンク 交流戦は得点の約半分がホームラン…“脱一発頼み”が急務

[ 2021年6月15日 05:30 ]

ソフトバンクの工藤監督
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 交流戦をチーム過去最低の勝率・357で終えたソフトバンク。それでも工藤公康監督(58)は投手、野手ともに大幅な入れ替えを行わない考えを示した。首位・楽天とは2ゲーム差の2位。リーグ再開となる18日の日本ハム3連戦から、前向きに仕切り直す。

 過去8度優勝した交流戦を5勝9敗4分けで終了し、この間にリーグ首位の座も楽天に明け渡した。工藤監督は「まだまだこれから。交流戦のことをああだ、こうだ考えたって、終わったこと。うにょうにょ考えるより、こうしよう、ああしようが大事」と切り替えを強調した。

 再開するリーグ戦へ向けては「ドドッと入れ替えるとかはないです、それはない」と1軍と2軍のシャッフルを最低限にして臨む。交流戦前に右手を負傷したグラシアルに復帰のめどが立っていない。交流戦中に周東、牧原大も負傷で離脱。打線はつながりを欠いた。指揮官は野手について「休み明け(15日)に(小久保)ヘッドとは話す」と前置きし「今のところ大きな入れ替えはない」とした。

 モイネロ、デスパイネのキューバ勢のチーム合流も最短で23日。となれば現有戦力の奮起が必要になる。

 交流戦では打線が低迷した。チーム打率・233は、14日現在で11位と低迷。交流戦の打率・375と好調な三森らに期待がかかる一方で、同・227の柳田、同・224の中村晃ら主力の復調が欠かせない。

 また、打線は一発に頼る傾向がある。交流戦総得点68点は14日現在で12球団中9位と、得点力不足に苦しんだ。この68点中、本塁打で挙げた得点が33点あり、実に総得点の48・5%を占める。
 交流戦で優勝したオリックスを見てみると、本塁打による得点は25点と、ソフトバンクよりずっと少ない。それでも総得点は96点を記録した。ホームランによる得点率は26%に過ぎなかった。鷹打線にも本塁打だけではなく、つないで攻略する工夫が求められている。

 投手陣は好調で、こちらも大幅な変更はない。交流戦のチーム防御率は3・04と12球団トップ。先発投手が12試合でクオリティースタート(投球6回以上、自責点3以下)している。投手陣が5失点以上した試合は4日の阪神戦(1対6)、13日のヤクルト戦(4対6)の2試合だけ。試合はつくっている。

 負傷からの復帰を目指し2軍で調整中の千賀と甲斐野については「状態は聞いている。呼んで何かするのは、今は考えていない」と、復帰はもう少し先になる。

 「野球はミスの出るスポーツ。出たときに誰かが皆でフォローする。結集しチームで戦っていくことが大事」。投手力に偏った現状を一丸で打破したときに、リーグ連覇が見えてくる。

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2021年6月15日のニュース