純矢、天国のお父さんも“ガッツポーズ”喜んでいるよ 阪神・西純の恩師が祝福の手記

[ 2021年5月20日 05:45 ]

セ・リーグ   阪神3-1ヤクルト ( 2021年5月19日    甲子園 )

<第100回全国高校野球選手権大会>1回戦で創成館を破り、西純矢(左)に声を掛ける創志学園・長沢宏行監督
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 阪神・西純のプロ初登板勝利を喜び、創志学園時代に指導した同校の長沢宏行監督(68)が本紙に手記を寄せた。教え子の初勝利を祝福するとともに同年代の中心として今後のさらなる活躍に期待を寄せた。

 初登板、初先発での勝利におめでとうと言いたい。私もこの日までずっと苦しいというかドキドキしていました。本当なら球場で見たかったのですが、仕事の都合でいけなかったのは残念です。

 矢野監督も「どれだけバッターに向かっていけるか」と話していましたが、思いきりよく投げてくれたと思います。電話でこの日の登板の報告を受けた時も「負けません」と力強く誓っていた。期待していたので勝ってくれてよかった。

 困難も乗り越え、よくここまで来たと思います。高校1年の秋季大会中にお父さんが倒れた時は西の心の面が心配で、翌日には大型バス2台を手配し部員90人で病院に向かい回復を願いました。ただ、残念なことに亡くなり、憔悴(しょうすい)しきっていて、1週間ぐらい実家のある広島に帰省させた時もずっと心配していました。グラウンドに戻ってきた時は部員らに励まされ、何とか切り替えられたのでホッとしたことを覚えています。

 この出来事があって西は変わりました。試合では気持ちを前面に出すスタイルとなり、勝負どころで抑えた時は天国のお父さんに向けて“頑張ってるよ”と雄叫びやガッツポーズをするようになったんです。ただ吠えていただけではないんです。幼い頃から野球のサポートをしてもらうなど大きな存在でしたから、ガッツポーズは抑えた喜びというよりも、お父さん見てくれている?と“報告”する意味合いが大きかった。この日の勇姿を、天国のお父さんも喜んでくれていることでしょう。

 それにしても顔つきが変わりました。きりっとして、大人に成長した感じがします。高校時代は闘志を前面に出して、がむしゃらに投げているのが西という感じでしたが、プロになってからは精神的にも余裕といったものを感じています。

 今年は同世代の活躍やドラフト1位の佐藤輝明君も頑張っていて、大卒と高卒で立場は違えど、同じドラフト1位として肩身の狭い思いもあったと思います。この勝利をきっかけに道を切り開いていってほしい。応援しています。(創志学園監督)

 ▼阪神・山本宣史スカウト(19年指名時の担当スカウト)勝ち運を持ってる子だと思う。降板した直後に近本が打って。今年1軍キャンプに行ったことがすごく大きかったと思う。レベルの差を痛感した部分もあるだろうし、課題も見つかった時間。投手陣も若くなっていく。早く一本立ちできるようになってほしい。

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