「ニュー藤浪」完成間近!対外試合初登板で3回無失点「変化球を使えたのが一番」

[ 2021年2月22日 05:30 ]

練習試合   阪神4ー3広島(特別ルール) ( 2021年2月21日    宜野座球場 )

<神・広>3回無失点と結果を残した藤浪(撮影・北條 貴史)
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 阪神の藤浪晋太郎投手(26)が21日、練習試合・広島戦(かりゆし宜野座)で対外試合に今春初登板し、先発で3回を2安打無失点に抑えた。球場表示で最速154キロをマークした直球系の配球比率を約5割に抑え、昨季よりも変化球の比率を高める新たな取り組みにも手応え。当面の目標となる開幕ローテーション入りへ、また一歩、前進した。

 ニュースタイルを試しながらでも、得点は許さなかった。完全復活を目指す今季は、結果と内容の両方を求められる立場。再挑戦中のワインドアップモーションに加え、この日は全45球のうち直球系を22球と約5割の比率に抑え、変化球多めの配球で3回を2安打3奪三振にまとめた。

 「(収穫は)いろんな球種を投げられたこと。真っすぐもある程度、安定していましたし。その中で変化球を使えたのが一番。そういう目的、イメージを持ってマウンドに上がったんで、やりたいことはできました」

 カットボール、スライダー、スプリットにツーシーム。自身初の対外試合で、横変化も縦変化も一通り試投した。初回2死では野間を146キロのスプリットで空振り三振。3回先頭の石原には130キロ前後のスライダー系を連投するなど、明確なテーマを持って臨んだ。その上で、今春の対外試合に先発した投手では5試合目で初の無失点と結果も両立させ、存在感を示した。

 「スライダー系は悪くなかった。ちょっと浮いたボール、安打を打たれたボールもありましたが全体的には感触は悪くなかった」

 3回には暴投や、打者に当たりそうな球もあったが、ある程度の荒れ球も持ち味。周囲の評価はキャンプイン以来、一定して高い。「至って順調じゃないの。あそこ(ブルペン)でやっていることを試合で試すことはしっかりできたと思う。変化球でカウントを取ったり、抑えるところもあった」とは矢野監督。中日・金子スコアラーは「素晴らしい投球というしかないですね、本当に。シーズンに向けて、こちら側としてはかなり集中して見ていかないといけない」と顔をしかめた。

 昨季の中継ぎ起用を経て、先発ローテーション投手としての確固たる地位を再奪取するシーズン。高橋が右脇腹痛で離脱し、開幕ローテ入りへの期待は一層、高まっている。

 「今後の投球も考えて、結果を出していかないといけないのは当然なので。その中で、今、自分のできることをやっていきたい」

 苦しんできたここ数年とは、ひと味違う手応えと充実感。もう後戻りはしない。 (山添 晴治)

 ▽藤浪インタビュー要旨 藤浪は20日付の本紙1面で独占インタビューに応じた。その中で今季は、昨季6割以上を占めた直球の割合について「5割、ないし5割弱にできるぐらいに他の球種の精度が高くなればいいですね。5割切るのを目標にするわけじゃないですけど、他の球種の精度が高ければ、勝てる確率も上がると思っています。(中略)直球は自分の武器ですし、生かしながら。当然、変化球の割合が増えれば、(打者は)直球の意識が薄れて、効いてくると思います」などと話していた。

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