日本ハム・ドラ1伊藤 紅白戦先発も…わずか12球で雨天中止 悪条件でも光った安定感に首脳陣絶賛

[ 2021年2月14日 05:30 ]

日本ハム紅白戦で雨の中、力投する伊藤(撮影・高橋 茂夫)
Photo By スポニチ

 日本ハムのドラフト1位・伊藤大海投手(23=苫小牧駒大)が13日、名護キャンプで紅白戦に先発登板し、実戦デビューした。初回表に打者2人を打ち取ったところで雨が強まっため降雨中止となったが、わずか12球ながら抜群の安定感が光った。新型コロナウイルスの影響で外国人選手の来日のメドが立たず、先発陣は駒不足。投手陣の救世主となるべく、155キロ右腕が順調に船出した。

 ぬかるむマウンド。濡れたボール。何度もロジンバッグに手を付けた。注目の第1投。悪条件の中、「力が入ってバランスが良い時に出る」という「ウッ!」といううなり声とともに切れのある直球を投じた。声を上げたのは直球9球中3度。足場の悪い中で伊藤の安定感が際立った。

 「もっと投げたい気持ちもあったけど、まずは打者相手に投げられたので一安心。気持ちの面では打者に向かっていた。そういうのも含めて伊藤大海らしさかなと思う」

 即戦力右腕らしく、工夫が光った。通常時はセットポジションからゆったり足を上げて投球するが、マウンド状態を考慮して「クイック気味のモーションで無駄を省いた」と体のブレが少ないフォームを選択する冷静さもあった。1番・松本剛はカウント3―1から逆球となった内角直球で捕邪飛。2番・平沼の初球にこの日最速の149キロをマークすると、最後は146キロ直球で二ゴロに抑えた。

 試合前から雨が強くなり、午後1時開始予定の紅白戦が、ぬかるんだマウンドの整備を経て6分遅れでプレーボール。その後も雨が続く予報ながら栗山監督が「いけるところまでいきたい」と要望して試合が始まり、わずか12球だったが、雨に流されずに伊藤のデビュー戦が実現した。伊藤が平沼を二ゴロに打ち取った際に一塁方向へカバーに走ろうとして転んだこともあり、試合は打ち切り。伊藤は「今日はケガなく終われたのが一番」と振り返った。

 投球を見守った栗山監督は「思った以上に(足元が)滑る状況の中で、それをあまり感じさせないで投げていた。違う球種を投げた時にブレもない。凄く安定していた」と評価。荒木投手コーチも「あの中であれだけ投げられるのは凄い。制球も乱れなかった」と絶賛した。

 次回登板は20日の楽天戦(金武)の予定。楽天のドラフト1位左腕・早川(早大)が登板する可能性もあり、ドラフト1位対決に注目が集まる。首脳陣は今後救援としての適性も探る方針。昨季チーム最多タイ8勝のバーヘイゲン、メジャー通算13勝左腕アーリンらの来日が遅れる中、大きな期待を抱かせる12球だった。(東尾 洋樹)

続きを表示

2021年2月14日のニュース