「最後の夏を失った同い年の分まで」 専大松戸マネージャーが臨むセンバツ

[ 2021年2月12日 14:32 ]

専大松戸が練習を公開。選手をサポートする刀川さん、三浦さん、飯高さん(左から)=撮影・柳内 遼平
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 今春センバツに出場する専大松戸の練習場には常に声が飛ぶ。「次の塁を狙う準備が足りない!」「打球への一歩目が遅い!」。竜ケ崎一、藤代、常総学院、専大松戸と率いた4校すべてを甲子園に導いた持丸修一監督ら指導陣だけではなく、部員同士でも高いプレー水準を要求する。

 活気は3人の2年生マネージャーも負けていない。機敏な動作と柔らかい笑顔で来客への対応、道具の整備、洗濯などでチームをサポート。練習中は多くの作業に追われるが、三浦未来(みく=2年)さんは「頑張る選手の顔を一番近くで見ることができる。やりがいがあります」と笑顔。主将の石井詠己(2年)は「3人の気づかいや所作は自分たちも見習わないといけない」と仕事ぶりに舌を巻く。

 試合でスコアをつける記録員は3人のローテーションでベンチ入り。昨秋の関東大会はセンバツ当確を決めた準々決勝の鎌倉学園戦で刀川美怜さん(2年)、準決勝の高崎健康福祉大高崎戦は三浦さんが担当した。

 甲子園初勝利が懸かるセンバツ初戦にベンチ入りする飯高菜緒さん(2年)は本来、3年生の代だったが、1年間の語学留学を行ったため1年遅れて卒業する。「昨夏の3年生は(コロナ下で)甲子園を目指す道が断たれた代。3年生の分まで校歌を歌うことができればいいなと思います」。同年齢の仲間の思いを胸に聖地のベンチに入る。

 センバツでは2勝で3人全員がベンチ入りできるが、刀川さんは「選手と甲子園に行けるだけで嬉しいを超えています」と話し、三浦さんは「選手たちが自分の力を出し切って、笑っている顔が見ることができたら」と微笑む。

 選手の笑顔も泣き顔も一番近くで見てきた3人と31人の選手が夢の舞台に挑む。 

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2021年2月12日のニュース