NPB 「コロナ後」試合数増プラン 斉藤コミッショナー減収補う打開策「来年、再来年にかけて」

[ 2021年1月6日 05:30 ]

試合数を増やす可能性に言及した斉藤コミッショナー
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 日本野球機構(NPB)が5日、仕事始めを迎え、プロ野球の斉藤惇コミッショナー(81)はコロナ下での減収を補うため、将来的に現在143試合の公式戦の試合数を増やす可能性に言及した。外国人選手の来日問題や、緊急事態宣言による2月のキャンプへの影響などは、状況を注視していく構え。先が見通せない状況が続くが「ウィズコロナ」で可能性を模索していく。また、この日は7球団が仕事始めとなった。

 未知のウイルスに振り回された2020年を経て、斉藤コミッショナーは「コロナ後の世界を頭に入れないと、今まで通りにはいかない」と覚悟を口にした。近年は入場料収入が好調だったプロ野球にとっては、まさに悪夢だったコロナ禍による大幅減収。打開策の一つとして披露したのが試合数増による増収プランだった。

 「一つ考えられるのは試合数。増えればお客さんが来て、収入も増える。今年は143でいくが、来年、再来年にかけては試合数というのはあると思う」

 今季は3月26日開幕の公式戦143試合の日程がすでに発表済みで、来年以降は議論の対象になり得るという見解だ。昨季は公式戦が143から120試合に減り入場者数も大幅に制限された。合計入場者数は19年の2653万人から8割減の482万人。それでも感染対策を徹底し、大リーグのレギュラーシーズンが無観客で60試合となるなど世界的に興行が縮小された中でシーズンを完走した。

 「何年かかけて回収する考えは皆さん同じ。球団の方々から希望が出れば、我々としては実現へ協力する」と斉藤コミッショナー。「選手会との合意が必要ですが、必ずしも否定的ではないとも聞いている」とも続けた。

 緊急事態宣言の発令も迫るが、2月のキャンプは予定通り実施したい意向。各自治体や医療関係者との調整も重ねており「よほど状況が悪化しない限り粛々とやっていきたい」と言う。外国人の来日問題は政府の対応を注視し、厚生労働省や内閣府とも相談していく方針。かつての日常はすぐに取り戻せないが、今年も国民的娯楽としての責任を果たす。(後藤 茂樹)

 ≪大リーグは162試合制≫昨年はコロナ禍で120試合制となったが、全球団が120試合以下は51年以来69年ぶりだった。その後56年のパ・リーグは各球団が154試合を挙行。シーズン最多試合数としていまだに残る。66~96年は両リーグ130試合制(引き分け再試合年もあり)が定着。最近は07~14年が144試合制、15~19年は143試合制と13年連続で両リーグを通じ140試合以上を行っていた。なお大リーグのレギュラーシーズンは60試合制だった昨年を除くと162試合制が続いている。

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2021年1月6日のニュース