近鉄最後の現役投手・近藤が香川にもたらすもの

[ 2021年1月6日 11:00 ]

ヤクルト時代の近藤一樹
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 昨季限りでヤクルトを戦力外となっていた近藤一樹投手(37)が、四国IL・香川入りした。昨年までの選手一本とは異なり、初めて「選手兼投手コーチ」という肩書がついた。近藤は「二つ(選手とコーチ)の挑戦をできるチャンスを頂いた。そういう環境を与えて頂いて、とても感謝しています」と入団に携わった全ての関係者に気持ちを伝えた。

 日大三時代の01年夏の甲子園で優勝。同年のドラフト7位で近鉄に入団した。オリックスを経て、16年途中からトレードでヤクルト入り。環境の変化で働き場をつかむと、18年には42ホールドポイントで最優秀中継ぎのタイトルも手にしている。「簡単ではないことは分かっています」と謙虚な姿勢は崩さないが、選手としての目標はNPB球団への復帰だ。そこはぶれない。

 新たに加わる「指導者」の役目。「プロの中でも1軍にいる人と2軍にずっといる人では違うものがある。それは何か。そういう部分を伝えていくことで、成長の助けになってくれればと思います」。ヤクルト時代から、真摯(しんし)に野球と向き合い、直向きに努力を続けてきた。だから後輩たちから慕われていた。自身の練習を終えると、後輩のトレーニングに付き合い、求められれば助言を送ることも多かった。

 「僕自身も新しい経験をさせてもらえるので、楽しみな部分は多いです」と心待ちにする。今季限りで楽天、マリナーズ、巨人でプレーした岩隈が引退。野手ではヤクルト・坂口がいるが、近鉄出身の現役投手は近藤だけになっていた。「こういう機会を生かして、精いっぱいやっていきたいです」と話す。

 1月中には生活拠点を香川に移し、2月1日から始まるキャンプに備える。独立リーグには、プロを夢見る若手選手たちがたくさんいる。近藤が、その経験値を還元する。(記者コラム・川手 達矢)

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2021年1月6日のニュース