阪神・西勇 「若手の突き上げが欲しい」 来季の開幕投手の座を奪いにこい!

[ 2020年11月27日 05:30 ]

阪神の西勇は若手の台頭を期待した
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 開幕投手を奪い取ってみろ――。阪神の西勇輝投手(30)が26日、来季の開幕投手に言及し若手の台頭を望んだ。日本シリーズでソフトバンクが巨人に4連勝し日本一達成から一夜明け、エースは悔しさが支配したからこそ、頂上決戦である日本シリーズを見ることはしなかったという。見据える来季の終着点は05年以来となるリーグ優勝からの日本一。移籍3年目の悲願に向け、決意を新たにした。

 「(日本シリーズは)自分がやりたい場所。悔しいから見てなかった。自分が投げてなんぼやと思う。来年こそはチームみんなで優勝をもぎ取って、みんなでああいう舞台に立てるように」

 すでに来季に向けたスタートを切っており「投げることを2、筋力トレとランニングを8」と体を動かすことを主に汗を流す。今季は21試合に先発しチーム最多147回2/3を投げ秋山と並ぶトップの11勝(5敗)。周囲は来季も今季に続き開幕投手を務め、先発ローテーションの中心として期待するが、西勇の心中は違った。

 「(開幕投手は)僕が目指すより秋山だったり、青柳、(高橋)遥人あたりの若手に出てきてほしい。外様より生え抜きというイメージがある。僕からしたら若手の突き上げが欲しい。僕が3番手、4番手に下がるくらいレベルアップして来年の開幕に向けてやってほしい。僕も抜かされないようにレベルアップしたい」

 欲したのは生え抜きの台頭。開幕投手の座を奪い取るくらいの勢いと力を求め、高いレベルでの競争における相乗効果を期待した。今季、チームの2桁勝利は2人。昨季自己最多9勝の青柳は7勝9敗で、左肩のコンディション不良で出遅れた高橋は5勝止まり。リーグ優勝した巨人はエース菅野に続く、戸郷ら若手の台頭があった。一人だけの力では頂点にたどり着けないことは明白だ。

 また、藤川、能見のベテラン両腕に野手の福留も来季はチームにいない。自ずと西勇自身が大黒柱的な存在にならざるを得ない。

 「先発の中では自分が結構、上の年齢になってくる。みんなが付いていけるような、背中を見せることは大事。どんな状況でも聞きやすい、やりやすい状況を作ってあげられるようにしていければ」

 雰囲気づくりを含め、グラウンド内外でのサポートも約束。悲願成就へ、身を粉にしてフル回転する覚悟はできている。(長谷川 凡記)

 ○…開幕投手は前年のチーム勝ち頭が託されることが多く、阪神も例外ではない。過去10年ではメッセンジャーが5年連続を含む6度で、2リーグ制以降では小山正明、江夏豊と並んで最多。生え抜きは14年の能見以降おらず、生え抜き&勝利投手になると11年の能見が最後になる。

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2020年11月27日のニュース