日本ハム・有原 対ロッテ4戦4勝 メジャーへアピール 関係者「残りの登板が試金石に」

[ 2020年10月19日 05:30 ]

パ・リーグ   日本ハム5―2ロッテ ( 2020年10月18日    ZOZOマリン )

<ロ・日23>今季7勝目を挙げた有原は宮西からウイニングボールを受け取る(撮影・長久保豊)
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 メジャーへアピール投だ。日本ハム・有原航平投手(28)が18日、ロッテ戦に先発して7回4安打1失点の好投。対ロッテは今季4戦4勝のキラーぶりを発揮し、7勝目をマークした。早ければ今オフにもポスティングシステムを利用してのメジャー移籍を希望している、昨季の最多勝右腕。シーズンで残り2試合とみられる登板でもアピールを続け夢への扉に手をかける。

 ある大リーグ関係者は「残りの登板が(メジャー移籍の)試金石になるだろう」と言った。有原の150キロ超の直球は力強い。カットボールに加え、6回1死一、二塁では井上を141キロの内角ツーシームで詰まらせて遊ゴロ併殺に仕留めた。チェンジアップ、フォークと縦の変化も鋭く、カーブで緩急も使える。メジャーの世界でも十分に通用するであろう投球でロッテ打線を封じた。

 「全体的にあまり良くなかったけど、守備と宇佐見のリードに助けられた。粘り強く投げられた」。失点は初回の1点だけ。2回以降は安定感を取り戻し、7回にも1死一、三塁で代打・角中を一ゴロ併殺に仕留めた。スライド登板も苦にせず、ロッテ戦は今季4戦4勝で防御率0・96と圧倒。前回10日のオリックス戦での完封勝利に続き、シーズン終盤でグッとアクセルを踏んできた。その先に大きな夢があるからだ。

 昨年12月4日の契約更改交渉の席上で、有原は「入団時から(大リーグへの)思いは持っていた」とポスティングシステムを利用してのメジャー挑戦を直訴した。昨季は15勝で最多勝のタイトルを獲得。「来年しっかりとした成績を残せれば挑戦したいと(球団に)伝えた」と話していたが、今季は7勝8敗と黒星が先行している。前出の大リーグ関係者は「今年はコロナ禍で調整は確かに難しかったが、やはり去年ぐらいの成績がベスト。残り試合を見て判断する球団もある」とした。

 残りの登板は2試合の見込み。「僕が借金をしていると、(チームも)こういう順位になる。何とか残りの試合で勝てるように」。チームのための勝利は同時に、メジャーへのアピールの場ともなる。栗山監督も「一緒にやってきた仲間が世界で評価されるのはうれしいこと」と話している。夢の舞台へ、有原は秋の深まりとともにさらにギアを上げる。 (鈴木 勝巳)

 ○…ポスティングシステムでのメジャー移籍を目指す際は、日本の所属球団が11月1日から12月5日までの間に大リーグ側へ申請し、米30球団に通知された翌日から30日間、獲得希望の全球団と交渉できる。例年なら11月上旬には全日程を終えていたが、今季は新型コロナウイルスの影響で開幕が3カ月遅れ、レギュラーシーズン終了は11月11日以降。日本シリーズは第7戦を11月29日に予定している。日本野球機構(NPB)は申請期間をずらすことを検討しており、その際は大リーグ機構との協議が必要となる。

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