ヤクルト 449日ぶり首位 村上 リーグ一番乗りの20打点 豪雨被害の故郷・熊本に元気を!!

[ 2020年7月13日 05:30 ]

セ・リーグ   ヤクルト3-2巨人 ( 2020年7月12日    ほっと神戸 )

5回2死一、二塁、村上はタイムリーを放つ(撮影・森沢 裕)
Photo By スポニチ

 ヤクルトは12日、巨人に競り勝って今季初の4連勝(1分け挟む)。昨年4月20日以来449日ぶり、今季から指揮を執る高津臣吾監督(51)となってからは初の首位に浮上した。高卒3年目で不動の4番に座る村上宗隆内野手(20)が初回と5回に適時打を放つなど3安打2打点でリーグ一番乗りの20打点。若き主砲を中心に前年最下位から優勝を遂げた2015年以来、5年ぶりの再現を狙う。

 一塁からマウンドに歩を進めた。歓喜の輪。村上の笑顔もはじける。まだ開幕から1カ月もたっていないが昨季リーグ覇者の巨人から首位をもぎ取った。新型コロナウイルス感染防止のため手のひらを触れるハイタッチでなくグータッチ。間違いない。高卒3年目の4番が高津ヤクルトの原動力となっている。

 まずは初回。2死一塁で左中間に打ち上げると中堅・丸と左翼・亀井がお見合いでポトリと落ち、幸運の先制二塁打となった。5回も右前適時打。「失点した後だったので、すぐ取り返したかった。積極的に仕掛けることができた」と笑った。3安打2打点で19試合目でリーグ一番乗りの20打点に到達し、120試合で126打点ペース。3割、30本に加えて今季目標の100打点に向け視界は良好だ。

 前日から有観客試合がスタート。「(有観客でも)やることは変わらないけどファンの皆さんに少しでも喜んでもらえれば」と目を輝かせていた。コロナ禍の自主練習期間は自身のSNSで寮の自室や2軍本拠の戸田球場からライブ配信。世間から野球がなくなった期間の村上なりのファンサービスだった。昨季36本塁打で新人王に輝いた20歳は主力としての自覚も十分だ。

 故郷に届けたい思いがある。熊本は豪雨で死者60人以上と甚大な被害を受け「少しでも元気を届けられれば」と誓う。九州学院2年だった16年には熊本地震も経験。熊本城復旧のため、今季から本塁打1本につき一定額の寄付を表明している。地元愛を胸に、最後は優勝の歓喜も届ける。

 村上が新人だった18年、当時の高津2軍監督は三塁で失策を連発しても我慢して起用を続けた。2年後、新チームの象徴として4番起用。「(走者を)どう還すかが4番のテーマ。良い結果が出てきている」と評した指揮官は就任後初の首位に「気分は悪くないですね」と表情を緩めた。

 開幕前、村上は決意を語っていた。「4番がドシッと座っておければ強いチームになると思っている。そこを僕は目指してやっています」。15年のリーグ優勝後、過去4年でBクラス3度のチームが、強くなりつつある。 (黒野 有仁)


 《再開翌年に単独首位4度目!!全て新監督で過去3人Aクラス》
 ヤクルトが巨人に連勝し今季初の首位に立った。チームの単独首位は昨年の4月20日以来。また、ヤクルトは昨季最下位。チームで、最下位翌年に単独首位に立ったケースは(☆は新監督、順は最終順位)と4度目で全て新監督が達成している。なお、過去3人は、真中監督のリーグ優勝を筆頭に全てAクラス入りを果たしたが、高津監督も続けるか注目だ。
年  監督名  初単独首位 最終順位
61年 砂押邦信 5月3日   →3位
80年 武上四郎 4月9日   →2位
15年 真中 満 4月17日   →V
20年 高津臣吾 7月12日   →?

続きを表示

この記事のフォト

2020年7月13日のニュース