「夢のご当地オールスター・東京編」大TOKYO打線!看板は田淵&王の「TO砲」

[ 2020年4月29日 05:30 ]

ご当地オールスタースタメン表
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 江戸っ子を熱くさせる夏の花火のような打線だ。世界のホームラン王、868本塁打の王貞治(早実)に、虎のアーチスト、474本塁打の田淵幸一(法政一)。伝統の一戦で火花を散らした2人が、ドリームチームで「TO砲」を形成する。

 「王さんは大きな壁だった。ぶつかっても、ぶつかっても弾き返された。でも、逆にそんな王さんがいたから、ボクもホームラン打者になれたんだと思う」と田淵はライバルを超える存在として王がいたと強調している。

 阪神入団4年目の72年に34本塁打を記録し、翌73年には37本。74年には自己最多の45本塁打を放ちながらも、王を超えることはできない。守る側の意地、奪おうとする側の気合を、ファンも手に汗を握って見届けた。そして、75年に田淵は43本塁打で、33本塁打に終わった王の連続本塁打王を13年で止めた。田淵が獲得した唯一のタイトルだった。

 今年1月、野球殿堂入りが決まった田淵は「本当は、私は巨人に行きたかった」とエピソードを打ち明けた。68年のドラフト。事前に当時の巨人・川上哲治監督と会って「背番号2を用意している」と伝えられた。「1番が王さん、3番が長嶋さんで2番を、と」。しかし、ウエーバー順で先だった阪神に指名された。以来、「巨人戦でホームランを打つことが幸せ」と執念を燃やし続けた。

 王もまた、プロ入り前に、阪神入りに傾いた時期があったことが知られている。逆の立場になっていた可能性がある2人が、ドリームチームでタッグを組む。オリオンズの安打製造機で2314安打、246本塁打の榎本喜八(早実)、広島、巨人で364本塁打の江藤智(関東)、日米通算295本塁打の井口資仁(国学院久我山)、そして現侍ジャパン4番の鈴木誠也(二松学舎大付)と豪快な打線が出来上がった。

 今季、井口監督の下で、千葉ロッテでプレーすることを決めた鳥谷敬も、高校は埼玉(聖望学園)だが、出身は東京・東村山市。阪神で16年間プレーし、歴代2位の1939試合連続出場、名球会入りの2000本安打を達成したレジェンドが新天地でどう輝くのか、虎党も開幕を待ちわびている。

 エースは江東区出身の松坂大輔(横浜)、甲子園球児の先輩・荒木大輔(早実)との大輔コンビは注目必至。抑えはハマの守護神・山崎康晃(帝京)。オールドファンには懐かしい江戸っ子エース土橋正幸(日本橋)もベンチに入れたい。浅草・雷門の鮮魚店に生まれたきっぷの良さが売り物だった。

 これだけ豪華なメンバーなら、ベンチを明るくするだけで監督の仕事はOK。新型コロナウイルスで急逝後もビデオなどで多くの人を笑顔にしている志村けんの登場だ。鳥谷と同じ東村山市出身。「アイーン」は打てのサインだ。(鈴木 光)

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