「夢のご当地球宴・兵庫編」阿久悠監督 投手王国から狙いうち 伝説のサウスポー江夏豊できりきり舞いや

[ 2020年4月12日 05:30 ]

阪神の江夏
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 暗い話題が多い今だからこそ、楽しいことを考えよう!!スポニチが独断と偏見に想像力も働かせて作成してみました、時代を超えた「ご当地オールスターチーム」――。一時代を築いた名選手たちが同じチームだったら…。読者の皆さんもオリジナルチームを選考してほしい。第2弾は兵庫です。

 江夏をエースに指名したが、実質は同じく阪神タイガースを代表する村山実(住友工)とのWエースだろう。「オレのライバルは長嶋さんや。ユタカの相手はワンちゃん(王)や」(村山)。打倒巨人、そして打倒ONに燃えた。

 高校は大阪だったが、地元は尼崎市という江夏はシーズン401奪三振の日本記録をマークした68年に、当時のタイ記録と新記録を王貞治から奪い、村山の期待に応えた。オールスターでの9連続三振、広島時代の「江夏の21球」と伝説は尽きない。

 村山は新人時代の1959年6月の天覧試合で長嶋茂雄にサヨナラ本塁打を浴び「あれはファウルや」と言い、そのリベンジに野球人生を捧げた「ミスター・タイガース」だ。

 この左右両輪を筆頭に、まさに投手王国だ。巨人の別所毅彦(滝川中)が歴代5位の通算310勝、近鉄の草魂・鈴木啓示(育英)は同4位の通算317勝。針の穴を通すコントロールが持ち味だった、阪神の小山正明(高砂)は同3位の320勝。さらに現役ではヤンキース・田中将大(伊丹市出身、駒大苫小牧)らビッグネームが並び、先発ローテーションには困らない。抑えには阪急の剛速球・山口高志(市神港)が君臨し、リードするのが、4人しかいない名球会捕手の1人古田敦也…。バッテリーは盤石だ。

 打者では戦後に活躍したスラッガーが並ぶ。戦後最初の本塁打王、青バットの大下弘は西鉄で活躍。阪神のダイナマイト打線の一翼を担った別当薫、巨人の「じゃじゃ馬」こと青田昇はこのチームでも中軸選手だ。

 二遊間は現役の山田哲人、坂本勇人で鉄壁。三塁は阪神の03年、05年リーグ優勝の主力、今岡誠だ。1番だった03年は打率・340で首位打者、5番だった05年は147打点で打点王に輝いている。

 外野はMLBでも2度の世界一を経験するなど三拍子そろった田口壮、DHはヤクルトのブンブン丸こと池山隆寛が加わった。個性的な選手も控える。巨人の青い稲妻・松本匡史(報徳学園)、横浜のスーパーカートリオの一員・屋鋪要(三田学園)と俊足巧打の選手がいる。阪神の近本光司(社)が兵庫のドリームチームに加わる日が待ち遠しい。

 監督は近本と同じ淡路島出身の阿久悠に就任要請をした。「瀬戸内少年野球団」など、野球を題材にした作品は多い。高校野球の夏の甲子園期間中には、全試合を見届け、スポーツニッポンで名作「甲子園の詩」を執筆し続けた。投打ともに充実した戦力を、“狙いうち”“勝手にしやがれ”采配でどう導くか。そして、このドリームチームを舞台にした作品にも期待したい。(鈴木 光)

◆スポニチ選定「兵庫」オールスター◆
 監督 阿久 悠
 二 山田 哲人
 遊 坂本 勇人
 左 別当  薫
 一 大下  弘
 右 青田  昇
 D 池山 隆寛
 捕 古田 敦也
 三 今岡  誠
 中 田口  壮
 投 江夏  豊

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