【17年センバツ第89回大会】最も早い開幕…至学館まさかの結末

[ 2020年3月19日 08:00 ]

センバツあの日の記憶~高校野球ファンに贈る~

<17年センバツ第89回大会>呉との1回戦延長12回2死二塁、至学館・大谷が守備妨害でアウトになり試合終了
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 本来なら、19日から13日間にわたって行われるはずだった第92回選抜高校野球大会は中止となった。本来あるはずの光景がなくなった。3月19日から日付ごとに過去に生まれたドラマを紹介する。

 センバツ史上最も早い開幕となったのが2017年の第89回大会だった。今大会が開催されていれば、それ以来となる3・19開幕だったが、3年前の開幕日は第1試合から波乱の展開となった。

 9回に呉が2点差を追いつき、4―4で延長戦へ。迎えた12回、2点を勝ち越された至学館は1点を返し、なおも2死二塁とした。ここで9番・藤原大介は三ゴロ。呉の三塁手・上垣内勇允が捕球しようとした瞬間、二塁走者・大谷康稀と交錯した。すぐさま守備妨害で走者アウトが宣告され、試合終了。呉の選手たちは本塁付近に整列したが、至学館の選手たちはベンチで動けない。三塁塁審が場内放送で「守備妨害で走者アウトとし、ゲームセット」とアナウンスして整列した。

 大谷は「ぶつかる直前で気付いた。よけきれなかった」とうなだれたが、同点の走者として本塁生還の思いが生んだプレー。アルプス席で応援した至学館大OGで、前年のリオ五輪女子レスリングメダリストの吉田沙保里はツイッターに「甲子園に応援に行けてうれしかった」とつづった。

 ▼第89回大会(17年) 清宮擁する早実が優勝候補に挙げられていたが、2回戦で東海大福岡に敗れ早々と姿を消した。7日目には福岡大大濠―滋賀学園、福井工大福井―高崎健康福祉大高崎が史上初の2試合連続引き分け再試合となった。決勝は大阪桐蔭―履正社。史上初の大阪決戦は大阪桐蔭が2年生・藤原の初回先頭打者本塁打など決勝最多の4本塁打をマーク。8―3で前年の神宮大会王者・履正社に快勝し5年ぶり2度目の優勝を果たした。

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