ロッテ・安田 勝負の3年目へ決意 大地移籍でチャンス!同期ヤクルト・村上に続け

[ 2020年1月6日 07:00 ]

ロッテ安田はティー打撃で豪快なスイングを披露
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 ロッテ・安田尚憲内野手(20)が5日、大阪府茨木市内にある母校・履正社グラウンドで自主トレを公開した。2年目の昨季は実戦経験を積むために1軍出場なしに終わったが、イースタン・リーグで19本塁打&82打点で2冠王に輝いた。勝負の3年目を迎える左のスラッガーは「開幕スタメン」、「30本塁打」、「新人王」の3大目標を掲げた。

 少し考えて、安田はペンを走らせた。色紙には「克」。グラウンドから響く後輩たちの元気な声に負けない力強い文字だった。
 「元日から体は動かしています。初詣でおみくじはあえて引きませんでした。自分のできることをやっていこう。“己に克(か)つ”ということで。人生で初めて引きませんでした」。1日は早朝6時に起きてジムに足を運んだ。この日はノック、ティー打撃、坂道ダッシュ、ロープ登りなどを精力的にこなした。

 1年目にプロ初本塁打を放ったが、首脳陣の意向で2年目の昨季は2軍で実戦経験を積んだ。19本塁打、82打点でイースタン・リーグの2冠王に輝き、満を持して迎える3年目。1軍では1年目の60打席のみで新人王の権利も残る。高校通算65本塁打を誇る未来の4番候補は「目の前のことから一つ一つやっていく中で開幕スタメンだったり、新人王といった自分の目標が出てくる」と力を込めた。

 鈴木が楽天にFA移籍し、レギュラー奪取の好機が到来した。レアード、井上、角中がライバルとなるが「高い壁だが、意識しすぎすることなく、自分と向き合ってやっていきたい。三塁で勝負したいけれど、一塁、DHのどこでも任されたところでしっかりやりたい」と腕をぶした。

 大きな刺激も受けた。同期のヤクルト・村上は2年目の昨季、36本塁打、96打点とブレークし、新人王を受賞した。「負けたくない気持ちはあるけど、村上もできることをやっていったはず」。さらに昨夏の甲子園では母校が悲願の初優勝を飾った。恩師の岡田龍生監督からは「この一年で野球人生が変わってくる」と激励された。

 昨年末の契約更改では、球団から「30本塁打を打ってほしい」と期待された。「飛距離はこだわってやりたい。そこが自分のプライド」。未完の大器が目覚める準備は整った。 (横市 勇)

 ◆安田 尚憲(やすだ・ひさのり)1999年(平11)4月15日生まれ、大阪府出身の20歳。履正社では1年夏からベンチ入りし2年夏、3年春に甲子園出場。高校通算65本塁打。17年ドラフト1位でロッテ入団。18年8月10日のオリックス戦で1軍初出場。同年10月のU―23W杯では準優勝に貢献し、MVPに輝いた。1年目は17試合で打率.151、1本塁打、7打点。2年目は1軍出場なし。1メートル88、95キロ。右投げ左打ち。

 ≪3年目以降新人王なら球団史上初≫入団3年目以降に新人王を獲得した野手は96年金子誠(日=3年目、内野手)、98年小関竜也(西=4年目、外野手)、09年松本哲也(巨=3年目、外野手)と3人。ロッテでは前身球団を含め、野手の新人王は55年榎本喜八、69年有藤通世、97年小坂誠(いずれも内野手)といたが全て1年目。今季3年目の安田が手にすれば球団初めてになる。

 ▽新人王資格 支配下選手に初めて登録されてから5年以内の選手で、投手は前年までに投球回数30イニング以下、打者は前年までに打席数60以下でなければならない。

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