7回まで完全投球 慶大・高橋「優勝の瞬間にマウンドにいたのは人生初めて」

[ 2019年11月21日 05:30 ]

明治神宮野球大会 大学の部決勝   慶大8―0関大 ( 2019年11月20日    神宮 )

優勝を決め喜ぶ慶大・高橋(右)ら慶大ナイン (撮影・西川祐介)
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 こんな投球をしたかった。このマウンドにいたかった。9回2死一塁。こん身の125球目で中飛に仕留め、慶大・高橋は駆け寄る郡司に抱きついた。

 「優勝の瞬間にマウンドにいたのは人生初めて。本当にうれしい。それだけです」

 圧巻の投球だ。直球が走り、変化球が決まる。完全試合を「2回から意識した」というほどで、7回まで打者21人パーフェクト。8回無死から連打されても併殺で切り抜け、3安打無四球で完封。勇退する大久保監督とのラストゲームで一世一代の投球を演じた。

 中学、高校と決勝のマウンドで負け続けてきた。だから「今日勝つために負け続けたんだ」と信じ、冷え込む神宮でも験担ぎの半袖で投げきった。川越東時代は無名の左腕。それでも入学時から大久保監督が目をかけ、今季は「うちのエースは高橋」とリーグ戦で常に第1戦先発。その期待に最後に応えて「やっぱり完全試合は難しい」と笑った。

 プロ志望届を提出した今ドラフトは指名漏れ。社会人の東京ガスに進む。「次は都市対抗優勝」。高橋の目は次の舞台へ向いた。
(秋村 誠人)

 ▼ソフトバンク山本省吾スカウト(前回優勝時のエース)大久保イズムが5年間でしっかり浸透した。選手と監督の心がガッチリとつながっていたと感じる。僕も当時は半袖で投げていて、高橋君も半袖。何か継いでくれた気がしてうれしかったです(笑い)。(ソフトバンク5位指名の)柳町君は1年春から出続けて勝ち切った。ホークスにとっても心強いです。
 

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