侍・稲葉監督、東京五輪金へ世界行脚 総移動距離約5万キロ 地球一周超え視察 

[ 2019年9月10日 05:30 ]

韓国プロ野球公式戦視察を終え羽田空港に帰国した侍ジャパン・稲葉監督 (撮影・西川祐介)
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 侍ジャパンの稲葉篤紀監督(47)が来年夏の東京五輪での金メダルへ、世界行脚の旅に出る。韓国プロ野球視察を終え、9日に帰国。今後はイタリアでの欧州・アフリカ予選、来年3月の米アリゾナ州での米大陸予選、台湾での五輪最終予選など、総移動距離約5万キロを飛び回り視察を行う考えを明かした。コーチ陣全員がスコアラー役も兼ね、世界のライバルを丸裸にする。

 韓国プロ野球4試合8チームの視察を終えた稲葉監督は充実の表情で振り返った。「自分の目でしっかり見ることができて良かった。成績の数字だけではない、いろいろと選手に伝えられることはあります」。金メダルまで足取りは休めない。

 すぐにイタリアへ飛ぶ。18~22日の東京五輪の欧州・アフリカ予選を視察する。開催国枠の日本に続く、第2の出場国が決まる。11月のプレミア12を経て、来年3月には米大陸予選、五輪最終予選と自ら足を運ぶ意向を明らかにした。

 「各大会のレギュレーションが出てから詰めるが、しっかりと見ていきたい。情報が大切だし、必要になる」

 現在の侍ジャパンは専門のスコアラーは置いておらず、コーチ陣全員で補う。本番となる来年7月の東京五輪はシーズン中のため、各球団からスコアラーを募り頼るのは負担を背負わせてしまう。「本当は専門家がいればいいが、シーズン中だし難しい。コーチ陣全体で補い合いながらやれれば」と話した。

 村田バッテリーコーチはスコアラー経験が豊富。井端内野守備走塁コーチは、編成戦略担当を兼ねる。「金子ヘッドは(選手だった)アテネ五輪では休まず映像で相手の癖など研究し、知恵熱を出したほどと聞いた。建山投手コーチは投手だけではなく、打者を見る目もある」と稲葉監督はコーチ陣総スコアラー化の構えを説いた。

 初見同士の戦いが中心の国際試合は、情報戦も勝敗の鍵を握る。可能な限りの情報を自らの目で集め、生きた武器へと変える。(後藤 茂樹)

○…稲葉監督は予定より約2時間遅れで羽田空港に到着。15年の第1回プレミア12準決勝で逆転負けした韓国を視察した意義を強調すると、2カ月後に迫った第2回大会へ「優勝するためには倒さなければいけない相手。しっかり準備していきたい」と力を込めた。投手では左腕ヤン・ヒョンジョン(28=KIA)、打者はキム・ヒョンス(31=LGツインズ)を要警戒の選手に挙げた。

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2019年9月10日のニュース