公立の星 徳島・池田、白川 「阿波の金太郎二世」、ホップする真っすぐが武器

[ 2019年7月5日 10:05 ]

白川恵翔投手(池田) 
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 「令和初の甲子園大会」となる第101回全国高校野球選手権大会(8月6日開幕、甲子園)の出場校を決める地方大会は、6日に大阪、兵庫など14大会が新たに開幕し本格化する。最速163キロを誇り令和の怪物と称される大船渡の佐々木朗希投手(3年)が注目を集める中、佐々木同様に「公立の星」として聖地を目指す各地の好投手に迫った。

 粗削りな才能が山間の町で確かな輝きを放つ。最速143キロながら、浮き上がるような軌道を描く。1982年夏、83年春の甲子園大会連覇に貢献したOBの水野雄仁(現巨人投手コーチ)を彷彿させるガッシリとした体格で「阿波の金太郎二世」の異名を取る池田(徳島)の白川は「プロに行きたい。そのためにも甲子園の舞台に立ちたい」と明確な目標を掲げた。

 昨秋の徳島大会後に腰椎分離症を発症。本格的な投球練習から遠ざかった約5カ月間は学校の裏山を登る「山ラン」や短距離ダッシュなどで徹底的に下半身を強化。最後の夏を前に「ホップする感じを意識している」という真っすぐの質は理想に近付きつつある。

 徳島県東みよし町の自宅から学校までは30分程度だが「練習時間を確保したい。汽車の時間が限られているので」と寮生活を選択した。洗濯、掃除などは自分でする集団生活。「その方が将来的には自分の役に立つ」と高い志を胸に自立した。
 池田は2014年選抜に出場したが、夏の甲子園は自身が生まれる前の1992年が最後。それでも当時の戦いを動画で見て「このユニホームで甲子園に出ることが憧れ」と話す。86年選抜優勝メンバーの井上力監督(50)からも「勝敗を決めるのは彼」と全幅の信頼を置かれる。完全開花の時は来た。(桜井 克也)

 ◆白川 恵翔(しらかわ・けいしょう)2001年(平13)6月4日生まれ、徳島県東みよし町出身の18歳。江原南小3年から「江南パワーズ」で野球を始め、江原中では軟式野球部に所属。池田では1年夏からベンチ入り。最速143キロにカーブ、スライダー、チェンジアップ、スプリットを操る。趣味は音楽鑑賞と釣り。1メートル79、82キロ。右投げ右打ち。

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2019年7月5日のニュース