啓新、甲子園初出場初勝利!攻めて攻めて桐蔭学園撃破

[ 2019年3月28日 05:30 ]

第91回選抜高校野球大会第5日 1回戦   啓新5―3桐蔭学園 ( 2019年3月27日    甲子園 )

甲子園初勝利を挙げて歓喜のダッシュを見せる啓新ナイン(撮影・北條 貴史) 
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 全身をのけぞらせて全力で校歌を歌い上げる。初出場の啓新が、野球部史に新たな未来を啓(ひら)いた。決勝打となる先制の適時三塁打を放った主将の穴水は「本当に勝ったのかなという気持ち」と喜びを表現した。

 積極的に攻め続けた。初回無死一塁で2番幸鉢は強攻策。二ゴロで進塁打となり、穴水の右越え三塁打は右翼手が転倒する幸運にも恵まれた。記念すべきチーム初安打、初打点に「啓新高校野球部の歴史に(名前が)載れたのがうれしい」と笑った。2、5回にともに走者が飛び出してアウトになったが、植松照智監督(39)は「足を絡めていくのがウチのスタイル」と責めなかった。

 継承と改革で勝利をつかんだ。植松監督は5年間の野球部長を経て昨年4月に就任。相洋(神奈川)時代に教えを受けた大八木治前監督(65)の「考えて動く」野球を発展させた。選手を信頼し、自主練習の割合を増加。レギュラーと控えの壁を取り払い、全員が同じ練習をすることで競争意識を高めた。2月には全員で1分間の大縄跳びに挑戦。引っかかったらやり直しで、失敗した時は歌を歌いながら跳んだ。2時間半かけて達成した時はGReeeeNの「キセキ」で締めた。縄を回す役を務めた穴水は「最後は一体感がすごかった。やり切った感じがして気持ちよかった」と話し、穴水から回す役のパートナーに指名された鈴木は「成功したときは、みんなでガッツポーズをして大盛り上がりだった。自分たちのあきらめない野球は、あの練習が原点だったと思う」。指揮官の狙い通りに結束は強まった。

 穴水は「考えて野球をすることで、新たな成長がある」と手応えを示す。昨秋の北信越大会決勝で、今大会No・1投手の奥川擁する星稜と延長15回引き分けた実力は本物。スカイブルーのユニホームが躍動し、啓新旋風を巻き起こす。(石丸 泰士)

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