甲斐 守りだけじゃない打つキャノン 打率「3割」照準 2度目1千万円上積みサイン

[ 2018年12月27日 05:30 ]

契約更改を終え、ガンキャノンを模した“甲斐キャノン”の格好で笑顔を見せる甲斐(撮影・岡田 丈靖)
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 ソフトバンクの甲斐拓也捕手(26)が26日、ヤフオクドーム内の球団事務所で2度目の契約更改交渉に臨み、2500万円増の6500万円でサインした。日本シリーズでは6連続盗塁阻止でMVPに輝いた“扇の要”は打撃強化の必要性を痛感し「打率3割」を目指すと誓った。

 交渉を終えた甲斐は晴れやかな表情で姿を現した。21日に行われた1度目の交渉では1500万円程度の増額提示を保留。2度目の今回はさらに1000万円上積みの年俸6500万円を提示され、納得して判を押した。

 「正直、最初の提示を受けて、さみしいなと言うのが正直なところだった。球団からは守備面で最大限に評価していただいた」

 日本シリーズでは6連続盗塁阻止でMVPに輝き、全国に“甲斐キャノン”の愛称をとどろかせた。シーズンでもリーグトップの盗塁阻止率・447をマークし、2年連続でゴールデングラブ賞を獲得するなど常勝軍団の“扇の要”にふさわしい活躍ぶり。打撃も今季は自己最多7本塁打を放つなど進境がうかがえるものの、打率・213は物足りない。試合終盤に代打を送られる場面も多かった。

 「春(の宮崎キャンプ中)に王会長にも“打たないと金にならない”と言われて、実感している」

 王会長の金言を交渉過程で改めて実感し「もっと打って投手を助けられれば楽になる」と攻守で投手を引っ張る構え。三笠杉彦球団統括本部長からも「打率が上がれば理屈上、代打で交代することも少なくなる」と打撃向上を期待された。

 来季目標に全試合フルイニング出場を掲げる。マスクをかぶり続けるには“打てる捕手”になることが必要。「どれか一つというより全体的にレベルアップしていきたい」。打率「3割」を目標に設定し、来年1月は沖縄で打撃強化をテーマに自主トレに励む。

 《パでは10年嶋(楽)が最後》主に捕手を務めた選手の打率3割は、15年近藤(日=捕手58試合)の・326が最後。捕手出場100試合以上となると12年阿部(巨=捕手116試合)の・340で、パでは10年嶋(楽=捕手127試合)の・315以降達成者がいない。なお、甲斐が所属するホークスで捕手の打率3割は、南海時代に野村克也が6度(57、62、65〜67、73年)、ダイエー、ソフトバンク時代に城島健司が5度(97、99、03〜05年)記録している。

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2018年12月27日のニュース