阪神・糸井4安打3打点 “夏男”大暴れでマジック点灯阻止

[ 2018年8月15日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神7―4広島 ( 2018年8月14日    京セラD )

8回2死満塁、糸井が中前に2点適時打を放つ(撮影・成瀬 徹) 
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 阪神は14日の広島戦に7―4で逆転勝ちし、“4度目”の優勝マジック点灯阻止に成功した。勝ち越された直後の8回に一挙4得点。特に糸井嘉男外野手(37)はダメ押しの2点適時打を含む今季初の4安打で3打点を挙げる大暴れだった。15日も勝利以外はマジック点灯を許す状況に変わりはなく、意地を見せ続けるしかない。

 4本目の安打で王者の息の根を止めた。8回、福留の押し出し四球で逆転し、なおも2死満塁の好機。糸井が今村の初球、浮いたフォークを中前に運んだ。

 「みんながつないでくれたので、何とかして還したかったので良かったです」

 深めに守っていた丸の前に落ち、勝利を決定づける2点適時打になった。ただでさえ沸き上がっていた球場内のボルテージをMAXまで引き上げた。

 振ればヒットになる。糸井のバットは“打ち出の小づち”のようだった。まずは2回先頭でジョンソンからチーム初安打を左前へ。いきなり9試合連続安打へ伸ばし、再び先頭打者で立った4回はフルカウントからの高め直球をコンパクトに中前に返して出塁。梅野の同点打につなげた。

 チャンスメークに徹したと思えば、中盤以降は4番らしさ全開だった。1点を勝ち越した5回、なおも無死一、三塁の絶好機で真ん中直球をいとも簡単に右前に弾ませた。

 切れ味抜群の速球を3方向へ打ち分け、ジョンソンとの対戦成績を今季12打数8安打まで上げた。8回のダメ押し打を合わせた1試合4安打は昨年5月10日のDeNA戦以来、猛虎加入2度目の大当たり。8月突入後は31打数16安打、打率・516で、福留とそろって驚異の「夏男」ぶりが際立つ。

 野手ではチーム唯一の年上になる福留へ向けるリスペクトは強い。特に5月下旬以降は4番として3番・福留の後を打つことが多くなり、「孝介さんがつないでくれたから」と度々口にする。試合前練習では福留のタイミングの取り方を模倣することも。「マネしてるだけやで」と秘める意図も好調と無関係ではないだろう。

 原口と3人で上がったお立ち台。「前のバッターがめちゃくちゃいいんで楽に(打席に)入れています」と先輩を持ち上げると、福留からは「後ろのバッターがいいので楽に打席に立っています」と返された。3、4番コンビの軽妙な掛け合いに場内はまた沸いた。41歳と37歳。他球団にはない、貫禄たっぷりの2人が元気なら猛虎の戦いはまだまだおもしろい。(巻木 周平)

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