香川が刺激…巨人 坂本「完璧」10号 セ遊撃手最長10年連続2桁

[ 2018年6月23日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人8―5ヤクルト ( 2018年6月22日    東京D )

8回1死二塁、左越え2ランを放つ巨人・坂本勇(撮影・島崎忠彦)
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 「蹴る」ように小さく跳びはねた。ベンチを向いた巨人・坂本勇が両手でバットを投げ、満面の笑みを見せる。

 「嫌な流れだったので打てて良かった。感触は完璧。気持ちのいいホームランでした」

 6―0から1点差に迫られた直後の8回1死二塁。不穏なムードを一振りで変えた。直球を左翼席最深部に運ぶ10号2ラン。2桁本塁打を入団3年目の09年から10年連続に伸ばした。「自分はホームランバッターじゃないので、何とも思っていない」と謙遜したが、10度の2桁本塁打はセ・リーグの遊撃手では史上最多となる大記録だ。

 「セ界最強のショート」になっても、幼い頃から変わらないことがある。坂本勇は決して野球のボールを足で蹴ることはない。ティー打撃の後、足元には無数のボールが転がるが、手か、バットをゴルフクラブのように扱って丁寧に集めていく。「自分の中では大切にしている部分ではあります」と、プロになっても道具を大切にする気持ちは変わらない。

 サッカー日本代表の香川は同じ兵庫県出身の同学年で親交が深い。W杯初戦コロンビア戦でPKを「蹴り込んだ」盟友には刺激を受ける。自身も世界大会で経験を積み、16年にはセ・リーグの遊撃手では初の首位打者に輝いた。その足で、一歩一歩階段を上る。

 リーグ戦を2位浮上という最高の形で再開し、高橋監督も「勢いが相手にいきかけたところだったので大きな一発だった」と称えた。「カード頭は大事なので、勝てて良かった」と喜んだ坂本勇。最後はいたずらっぽく「おやすみなさーい(笑い)」と囲み取材を打ち切って、ベンチ裏に下がった。 (神田 佑)

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2018年6月23日のニュース