誠也 逆転負けにも4番の意地 6号&気迫走&初猛打賞

[ 2018年5月28日 05:30 ]

セ・リーグ   広島7―8中日 ( 2018年5月27日    マツダ )

<広・中>3回1死一塁、鈴木は左中間に2ランを放つ(撮影・坂田 高浩)
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 広島・鈴木誠也外野手(23)が27日の中日戦で6号を含む今季初の猛打賞を記録した。5―5の7回には敵失の間に二塁から一気に生還する激走で一時勝ち越しを呼ぶなど躍動した。2度の優位に立ちながら悔しい逆転敗戦。昨季と同じ貯金10で迎える交流戦でも復調の4番に期待が高まる。

 3カード連続で中日戦の負け越しが決まったベンチ裏。打って走って躍動した鈴木は「負けてしまったので、どうでもいいです…」と悔しさを隠さなかった。赤ヘル随一の勝利への執念。思いは存分にプレーで体現した。

 打って、笑った。2―0の3回1死一塁、1ストライクから大野雄のツーシームを振り抜くと、打球は左中間席に着弾。悠然とダイヤモンドを回り、仲間からの祝福には笑みがはじけた。

 「つなぐ意識だった。自分で決めようというよりは、後ろの人に…と思っていた」

 走って、吠えた。5―5の7回先頭、まずは鈴木博から三塁強襲の二塁打を放って出塁。続く新井の一塁への強烈なゴロをビシエドが弾いた隙に猛然と本塁を狙った。滑り込み、間一髪で左手で本塁に触れた。中日側からリクエストが要求された際どいタイミングを制して、一時勝ち越しとなる生還。両手を叩き、雄たけびを上げて感情を爆発させた。

 「自分から見えていなかったけど、コーチが回していたので思い切っていった」

 逆転された直後の9回先頭では田島から左前打を放ち、最後まであきらめなかった。3安打以上の固め打ちは今季初。この一打から2死満塁まで攻め、再逆転まであと一歩のところまで迫った。

 今回の3連戦前までは17打席連続無安打だった。試行錯誤を続け、スタンスを極端に狭める“新打法”に取り組む。その成果か、3日間で13打数7安打。激走が示す通り昨季の右足首骨折や4月に抱えた下半身の張りからの回復は明らかで、緒方監督も「見ての通り動けている。体のキレも出てきたし、上がってくるでしょう」とうなずいた。

 貯金10での交流戦突入は昨季と同じだ。16年は11勝6敗1分、17年は12勝6敗。連覇した過去2年は加速した交流戦に合わせるように4番が上昇気流に乗った。(河合 洋介)

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2018年5月28日のニュース