誠也 上昇!4番争い加熱 マツダ215日ぶり弾&OP戦初マルチ

[ 2018年3月15日 05:30 ]

オープン戦   広島1―4日本ハム ( 2018年3月14日    マツダ )

<広・日>2回1死、鈴木は左越えに先制ソロを放つ
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 広島・鈴木誠也外野手(23)の打撃が上昇カーブを描き始めた。14日の日本ハム戦に「5番・右翼」で先発出場し、2回に左翼へオープン戦2号。7回には左前打を放ち、今春初のマルチ安打を記録した。

 高々と舞い上がった打球は、右から左方向への風にも乗って、左翼最前列に吸い込まれた。2回1死から鈴木が放った先制弾。3日の西武戦以来となるオープン戦2号で、本拠地では昨年8月11日の巨人戦以来215日ぶりの一発だ。

 「この時期は速球に振り負けないことがテーマ。打球には納得していないけど、直球が強い投手なので、やりたいことはできた」

 日本ハムの高梨が1ボールから投じた、146キロの甘い直球を振り抜いた。本人が「納得していない」と振り返った通り、こすり気味の打球。それでもスタンドまで届いてしまうのは、インパクトでの強い押し込みが伸びを生むからこそだ。

 “らしさ”が出たのは7回の第3打席だった。無死一塁で、3番手・玉井の143キロ真ん中低め直球を捉えると、痛烈な打球は遊撃・中島卓のグラブをかすめて左前へ抜けた。上昇気流を描く今春初のマルチ安打。鈴木は手応えを口にする。

 「技術的にまだまだだし、確率もまだ低いけど、自分のスイングが数多くできる状態になりつつある」

 10日のヤクルト戦で故障後初めて就いた実戦守備。当初の3回が7回まで伸び、打席数も増えてきた。「守備からの流れで打席に入る感覚が戻ってきた。だいぶ雰囲気にも慣れた」。環境に順応するにつれ、スイング感覚も研ぎ澄まされる。

 「上位はある程度固定するけど、4番は決まっているわけじゃない」。松山が先行する4番打者争い。緒方監督はそう前置きしながらも、“鈴木の状態が上がれば4番か?”の問いに「もちろん」を3度繰り返した。

 「4番は特に意識していない。どこに座ろうが、やることは変わらないので。それよりも今は自分の状態を上げないといけない」

 若き主砲は、予想通り無頓着だった。本拠地で25日にあるソフトバンクとの最終オープン戦。そこでプラン通りにフル出場すれば、4番争いにも決着がついているはずだ。(江尾 卓也)

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