ソフトバンク王手!内川 史上初4戦連発「王会長の気分」

[ 2017年10月22日 05:30 ]

パ・リーグCSファイナルステージ第4戦   ソフトバンク4―3楽天 ( 2017年10月21日    ヤフオクドーム )

6回無死、同点ソロ本塁打を放つ内川
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 ソフトバンクが2連勝で3勝2敗(アドバンテージ1勝を含む)とし、2年ぶりの日本シリーズ進出へ王手をかけた。2―3で迎えた6回、4番・内川聖一外野手(35)がポストシーズンタイ記録の4試合連続本塁打となる同点ソロ。続く5番・中村晃外野手(27)が2戦連続の決勝本塁打を放った。

 ダイヤモンドを一周する内川は不思議な高揚感に包まれていた。

 「王会長はいつもこんな気分でホームランを打っていたんだろうなと…。こんな気分で野球をやれるのは楽しいと思いました」

 6回先頭で入った第3打席。宋家豪(ソン・チャーホウ)の151キロ、高め速球を完璧に捉えた。角度のついた打球は左翼席中段へ。同一シリーズではポストシーズン史上初の4試合連続本塁打で同点とした。見届けた王貞治球団会長が思わずうなる。「内川様々だね。球に逆らわずに振り切れている」。世界の本塁打王に続き、工藤監督も「神がかっている」と絶賛した。

 台湾出身の剛腕とは19日の第2戦で当たり、150キロに空振り三振した。相手もそれを分かった上で6回から継投してきたが、内川は一枚上手だった。「(対戦して)多少、分かっていた」。球の軌道は頭にあり、同じ失敗はしなかった。

 3戦連発した前夜は帰宅後も興奮状態。デーゲームに備えて早めに布団に入ったが、午前4時の記憶がある。7時に起床し、睡眠時間は3時間だった。「みんな同じ気持ちで戦っている。これも経験の一つ」と割り切り、集中力は保った。

 スタンドには父・一寛さん(60)がいた。中3の時、内川は高校野球の監督をする父と野球がしたいと願った。父は翌春に転勤予定。有力視された大分工に合格したが、もし、赴任先が違っていれば「浪人する」という強い覚悟で始まった親子鷹だ。父は息子の快挙に「とっくに僕は超えた。高校生にこんな打ち方がいいと教えられるね」と笑う。現在、大分・情報科学の野球部副部長。息子に教わる喜びにひたった。

 自分の一発は喜ばず、中村晃の決勝ソロに拳を突き上げた内川は「(中村晃の方は)勝ち越しでした。本塁打(を自分が打つこと)は大事ではない」と言った。この男に任せれば大丈夫。CS突破の歓喜はすぐ、そこにある。 (福浦 健太郎)

 ≪ポストS中田以来≫内川(ソ)が4戦連続弾。プレーオフ、CSの4試合連続本塁打は14年ファーストS第3戦からファイナルS第3戦の中田(日)に並ぶ最多タイ記録。同一ステージでの4戦連発は初めてだ。また、日本シリーズでは過去5人の3試合連続本塁打が最多で、中田に並ぶポストシーズンタイ記録にもなった。

 ▼ソフトバンク藤本打撃コーチ(内川の本塁打に)スライダー、スライダーの後(の3球目)に「どーん」だからな。なかなか難しいことだよ。

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