青木 直訴!OP戦初戦から出る「当面はWBCを考えて動きたい」

[ 2017年2月20日 05:30 ]

キャンプインし新背番号3で打撃練習を行う青木
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 侍ジャパン最年長で唯一のメジャーリーガー、アストロズ・青木宣親外野手(35)が18日(日本時間19日)、メジャー6年目で5チーム目となるキャンプインを迎えた。通常ならベテランは序盤のオープン戦は出場機会を免除されるケースが多いが、WBCでの世界一奪還のため、初戦からの出場を指揮官へ直訴。一つでも多く打席に立ち、3月の本番への調整を最優先させる考えを強調した。

 真新しい背番号3のユニホームに袖を通したキャンプ初日。同僚たちが練習を終えても、一人居残って約100スイングのマシン打撃で打ち込んだ。新天地で心機一転…という以上に、青木の心は侍ジャパンでの世界一奪還を捉えていた。

 「当面はWBCのことを考えて動きたいと思う。実戦に近い練習をしたいし、そのために自主トレも前倒ししてきた」

 そのために、A・J・ヒンチ監督へ異例の願いを申し出ていた。「初めから試合に出ると思う。監督に“出たい”ということは言いました」。25日(日本時間26日)に始 まるオープン戦は敵地3連戦スタート。いずれも長距離移動を伴う。アストロズのキャンプ地・ウエストパームビーチから、最初のタイガース戦はバスで片道2時間40分かかるレークランドへ。ブレーブス戦があるキシミーには2時間半、メッツと戦うポートセントルーシーまでは1時間を要する。青木クラスのベテランなら同行すら免除されるところだが、あえて直訴した。

 始動を早め、すでにキャンプ地入りして9日目。「もう練習というよりは、実戦をやっていきたい」という。加えて今大会は、大リーグ球団所属選手は代表チームへの合流を3月1日以降とする取り決めがある。06、09年にマリナーズ所属で参戦したイチローは、この縛りがなく2月半ばの代表合宿に初日から参加。メンバーと呼吸を合わせ、練習試合などを重ねて本番に備えられた。27日(同28日)までア軍キャンプに足止めされる青木は「ルールに従うしかないが、何とかここで良い形で準備したい」と出場志願を最善策と考えた。

 ベネズエラ代表のアルテューベとはWBC談議に花を咲かせた。「どこが強いと思う?と聞いたら“アメリカとドミニカ(共和国)と日本”と答えてました。“2度も優勝しているだろう”と」。その2度の世界一に導いたイチローのような働きが、青木には求められる。節目の日米通算2000安打へもあと35本。「一番は勝つこと。今年はやることが山積みだが全てを達成したい」とメモリアルイヤーとすることを誓った。(ウエストパームビーチ・後藤 茂樹)

 ▽青木のWBC ヤクルト時代に2度出場した。06年大会は6試合に出場。うち2次ラウンドまでの4試合は全て途中出場だったが、準決勝と決勝は不振の福留に代わり中堅で先発出場した。09年大会は全9試合に3番で先発出場し、キューバとの2次ラウンド1回戦では快速左腕チャプマン(現ヤンキース)から1安打1四球、1盗塁と3回途中KOに大きく貢献。いずれもチーム最多タイの12安打、7打点で大会ベストナインに選出された。

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