金本監督は待つ ドラ1大山 実戦15の0「練習するしかない」

[ 2017年2月20日 08:02 ]

練習試合   阪神1―1日本ハム ( 2017年2月19日    宜野座 )

<神・日>8回1死一、三塁、好機に空振り三振に倒れ、ベンチに戻る大山(中央)と金本監督(右)
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 生みの苦しみが続いている。阪神・大山が「9番・DH」で先発出場。またも無安打に終わり、5試合15打席連続ノーヒット。“プロ初安打”はまたも、お預けとなった。

 「打席の中で余計なことを考えているのが一番。乗り越えるには練習をするしかない」

 晴れない表情が、心境を物語っていた。3回無死一塁からの第1打席。2ストライクからの3球目、榎下が投じた速球を打ちに出たが、ニゴロ併殺打に沈んだ。6回1死からの第2打席は初球に食らいついたが、遊撃正面のゴロ。1死一、二塁で迎えた8回の第3打席は2球連続で見逃して簡単に追い込まれると、最後は外角低めスライダーにバットは空を切った。

 「きっかけはヒットなのか、マシン打撃の中でつかむかわからない。下手くそなんで練習しかない。きっかけを見つけられたときに流れに乗れるように1球、1球を大事にしていきたい」

 うつむいてばかりもいられない。全体練習後には居残りで特打。宜野座ドームでストレートマシン、カーブマシンを相手に約1時間、黙々と400スイングを振り込んだ。自ら、壁を乗り越えてみせる―。ルーキーの胸中を察するように、金本監督は背中を押した。

 「(俺もプロで)10年ぐらいたっても部屋に帰ったらバタンキュー。ユニホームを着たまま眠ってしまったりね。それ(キャンプの過酷さ)もわかっている。乗り越えるというか、きっかけ。きっかけさえつかんで気分が楽になると、打つと思う。だから使っている」

 素材の良さを知るからこそ、今後も積極起用する考えを示した。1打席、いや、1球で何かをつかむ可能性はある。大山が自らの手で壁を乗り越える瞬間を、指揮官は待っている。(山本 浩之)

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