巨人・陽岱鋼 仮想セ界左腕討ち “名指し”で対戦300スイング

[ 2017年1月26日 05:30 ]

真剣なまなざしで何度もバットを握り直す陽岱鋼
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 「妄想トレ」でセ界の左腕をぶった斬り!巨人・陽岱鋼(ヨウ・ダイカン)外野手(30)が25日、川崎市のジャイアンツ球場で自主トレを行った。打撃練習では、広島のクリス・ジョンソン投手(32)らセ・リーグの左腕投手の名前を次々と挙げ、「仮想対戦」を展開。日本ハムからFA宣言して移籍した新天地で活躍するイメージを膨らませた。

 約300スイングの打撃練習中に、陽岱鋼が静かな室内練習場を興奮の東京ドームに変えた。

 「広島戦。ジョンソン投手いきましょう!ジョンソン!」

 左投げで1メートル70ほどの佐藤打撃投手を、頭の中で昨季沢村賞の1メートル93左腕に変えた。立ち膝で正面から投げ込まれた緩やかな球は、ジョンソンのブレーキの利いたカーブと思って打った。

 陽岱鋼は豪快なスイングで打ち返すと、満足そうな表情を浮かべた。「練習方法は自分で考えないといけない。頭を使ってイメージを膨らませた」。そして、その後も次々と広角に打ち分けた。

 巨人打線が昨季、打率・120に抑え込まれたセ界一の苦手左腕の攻略なくして、3年ぶりのV奪還はない。日本ハム時代の陽岱鋼もジョンソンと対戦したのは昨季だけ。右前適時打を放つなど4打数1安打1打点だったが、2三振も喫した。

 その悔しさが残像で残る。時には打ち損じ、「今のは駄目だ」ともつぶやいた。本番さながらの「真剣勝負」は、さらに舞台を変えた。

 「DeNAは今永君ですね!イメージしよう」。昨季8勝を挙げた2年目左腕とは「初対戦」だ。逆方向に強い打球を飛ばすと「ハマスタのライト前!」と声を上げた。会心の当たりが飛び出せば、スタンドに運んだイメージも描いた。

 「ヤクルトは石川さんだ。来い!」と威勢良く宣言したが、なんとセーフティーバント。ベテラン左腕を自慢の足でかき回そうとした。さらに阪神からは岩貞。「交流戦のときのために」と同僚だった日本ハム・加藤も「妄想」の中で自身の前に立たせた。

 春季キャンプでは、投手の映像が映し出されるバーチャル投球マシンが用意される。昨季は打率・293に対し、左投手からは同・326(右投手は・281)をマークしている。それでも対戦経験が少ないセの投手を攻略するため、発想力豊かな男は「ボールに対して集中していった」と準備を整える。

 勝負の移籍1年目。陽岱鋼は自身初の打率3割を目指し、27日に宮崎入りし、翌28日から1軍合同自主トレに臨む。 (神田 佑)

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