人的補償でオリックスへ 金田 新天地で探す飛躍への答え

[ 2016年12月19日 10:30 ]

オリックスへの移籍が決まった金田は記者と話し、少し笑顔も見せる
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 『答え』は、これから見つければ良い。16日、FAで阪神に入団した糸井の人的補償でオリックスへの移籍が発表された金田和之投手。プロ4年目の26歳。150キロを超える直球が武器で、14年には1軍で40試合登板を果たすなど今後の将来性も高く評価されていた。しかし近年は故障に泣かされることも多く、今季はわずか6試合登板。11月の秋季キャンプ中には思わず本音をこぼしたこともあった。「やっぱり周りは調子が良かった時(14年)の頃を言うからね。自分も『あの時は何で良かったのか、何を考えていたのか』とかで色々迷いもした」。

 そんな雑念を断ち切る狙いもあり、昨年から登場曲を人気ロックバンド・ONE OK ROCKの「アンサイズニア」に決めた。英語で表記すると「answer is near」となる。選曲の意図はこうだ。

 「久保(2軍投手)コーチからも常々言われていた言葉で、『投球も人生も同じで、常に答えは自分の中にある』という意識がずっと頭の中にあった。良い意味で開き直るというか、今の自分を作るのは自分しかいない。結局、昔を追い求めるのは性に合わない。この曲を聴く度に、改めてその気持ちを整理できた」

 ピンチにも顔色を変えることなく淡々と投げ込むポーカーフェイスの持ち主。「相手に少しでもつけ込まれる隙を作りたくない」と勝ち気な性格は、ピンチに登板するリリーフ投手にはピッタリの性格だろう。12年ドラフト5位で阪神入団。「下位指名でも、これだけやれるんだぞっていうのは見せたい。普段は地味だけど、ここぞでチームのピンチを防げるような渋い活躍をしたい」と、反骨心をモチベーションに昇華しながら、キャリアを積んできた。

 移籍発表があった翌日。鳴尾浜球場であいさつを交わすと、気さくに「色々ありがとう。これからも自分らしくやっていくよ」と笑顔を見せた。球団が変わり、環境が変わろうと、信念までが変わることはない。登場曲のワンフレーズに、金田が大好きな歌詞がある。

 「The answer is inside of me」

 過去の自分にとらわれることなく、常に新しい姿を模索する。オリックスという新天地で、飛躍への『答え』を探し求める。(久林 幸平)

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2016年12月19日のニュース