冨田さんに勝利球届けた 亜大が秋春連覇 開幕連敗から8連勝 

[ 2016年5月26日 05:30 ]

<亜大・日大>日大に連勝、2季連続優勝を決め北村(中央)ら亜大ナインは歓喜の輪をつくる

東都大学野球最終週最終日 亜大7―1日大

(5月25日 神宮)
 2回戦1試合が行われ、亜大が7―1で日大に連勝。勝ち点4とし、2季連続25度目のリーグ制覇を決めた。開幕カードで連敗を喫したが、水本弦主将(4年)を中心にチームを立て直して、そこから破竹の8連勝。ウイニングボールは、21日に東京都小金井市で刺されて重体となっている同大3年でアイドルの冨田真由さん(20)に届けられた。

 優勝の瞬間、ナインはマウンド上で抱き合った。開幕2連敗からの頂点。水本主将は「本当に不安だったけれど、一番良い形で終われて良かった」と静かに笑った。

 初回に先制されたが、2回に正随(しょうずい)が同点の中越え適時二塁打。3回に北村の遊ゴロで勝ち越すと、宗接(むねつぐ)が右前適時打で続いた。5回にも3四球と2安打で一挙4点と突き放した。

 板山(現阪神)ら主力が抜けた新チーム。フリー打撃では投手は制球力、打者は選球眼を養うため、従来から9分割の「ストラックアウト板」を打撃ケージの後方に設置していたが、今年は4分割からスタート。しかし、それが雑な選球につながり、開幕2連敗。指揮官は「挑戦しないと先も見えない」と、再び9分割に戻して細かい選球眼を磨くと、4月29日の東洋大2回戦では10四死球を選ぶまでに成長した。

 連敗後、試合がない第2週に急きょ行った名古屋遠征も転機となった。仲間を思いやらない態度に怒った指揮官が水本のユニホームを破った。ボタンは全てはじけ飛んだが、水本は自ら付け直し翌日の試合に出場。荒療治にもめげず8連勝を遂げた姿に「粘り強くやってくれた」と指揮官は目を細めた。

 11年秋から戦後初の6連覇を果たし、2季優勝を逃したが、再び連覇を遂げた。次の舞台は2年ぶりの全日本大学選手権。「胸を張って優勝とは言えない。試合ごとに成長していきたい」と水本。そう言い切れることが、亜大の強さだ。 (松井 いつき)

 ▼亜大・中村稔(3勝0敗、防御率0・00で最優秀投手とベストナイン獲得)週ごとにテーマを決めて取り組んできた結果。良い形で終われて良かった。

 ▼阪神・板山(亜大OB。昨秋の優勝メンバー)優勝おめでとうございます。僕も負けないように頑張ります。

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