ラミDeNAエースだ!石田5連勝 5月4戦全勝、月間MVP当確

[ 2016年5月26日 06:00 ]

<中・D>6回二死、荒木の投ゴロをさばく石田

セ・リーグ DeNA4―1中日

(5月25日 豊橋)
 初の月間MVP頂きっ!DeNAの2年目左腕・石田健大投手(23)が25日、中日戦に先発し、最速148キロの直球を武器に7回を4安打1失点でチームトップの5勝目。自らの暴投で連続イニング無失点は26回で止まったものの、5月は無傷の4連勝で月間MVPを大きく手繰り寄せた。チームは今季初の4連勝で、最大11あった借金はついに2。12球団トップの防御率を誇る投手陣が原動力となっている。

 連続イニング無失点は思わぬ形で途切れた。3―0の7回無死二、三塁。石田は中日の4番・ビシエドと対峙(たいじ)した。2球目。「本塁打は嫌だった」と思い切り腕を振った直球は、捕手・戸柱が伸ばしたミットの上を越える暴投。5月は登板4試合、通算27イニング目にしてスコアボードに初めて「0」以外の数字がともった。

 しかし、集中力が途切れることはなかった。なおも無死三塁のピンチでは、ビシエドを低めの直球で空振り三振。ナニータ、平田を外野飛球に打ち取り、7回1失点で救援陣にマウンドを託した。前回18日の巨人戦で7回無失点だった福島に続き、豊橋でも好投し、地方球場2連勝だ。

 「打たれたのではなく、自分で取られたので悔いはない」。無失点が途切れたことに、ヒーローインタビューでは淡々と言ったが、その後の囲み取材では「普通に悔しいです」と本音も漏らした。それでもチームを今季初の4連勝に導き「失点よりも勝ちが大事ですから」とすがすがしい表情だった。

 2年目の進化。2月の沖縄・宜野湾キャンプで転機が訪れた。ブルペンで投球練習を行っていると審判に注意された。「そのフォームだと2段モーションを取られるよ」。プロ入り後、ベルトの高さまで上げていた右足を腰より低い位置まで下げた。法大時代のフォームに戻したことで「体重移動がスムーズになって球威が増した」という。ラミレス監督も「ストレートが良かった」と評したように、この日の最速は148キロ。球威を増した直球が、好成績につながっている。

 ライバルの存在も刺激になっている。東京六大学リーグでしのぎを削った相手。早大のエースだった日本ハムの有原だ。オフには連絡を取り合う仲だが「あいつはやばいですよね。高校からプロに行ってくれたらもっと目立てたのに」と苦笑いする。だが、これで有原の5勝に並び「ちょっとは近づけたかな」と白い歯をこぼした。

 自身5連勝でチームトップの5勝目。5月は4戦4勝、防御率0・33で、初の月間MVP受賞が濃厚となった。ルーキー今永とともにチームをけん引する石田は「意識していませんよ」とすました顔を浮かべたが「でも、獲れたらめっちゃ喜んでるんだろうけど」とちゃめっ気たっぷりに笑った。 (中村 文香)

 ▼DeNA・戸柱(2回に先制打をマークし、石田を好リード)前に飛ばさないといけないと思っていた。(守備では)石田は1点取られたけどあれは僕のミス。あいつは100%やってくれた。

 ◆石田 健大(いしだ・けんた)1993年(平5)3月1日、広島県生まれの23歳。広島工3年夏は広島大会8強。法大では1年秋からリーグ戦に登板し、2年秋はリーグ優勝に貢献。通算45試合19勝16敗、防御率2・85。14年ドラフト2位でDeNAに入団。昨季は12試合で2勝6敗、防御率2・89。1メートル80、85キロ。左投げ左打ち。

 ≪球団左腕23年ぶり≫石田(D)が7回1失点で今季5勝目。5月は4日のヤクルト戦から4戦全勝、この日の7回に失点するまで26イニング無失点を続けた。チームの投手で月間4勝は14年7月の久保以来。左腕に限ると、93年10月の野村以来23年ぶりとなった。

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