雄星“剛速球の菊池”から“勝てる菊池”に進化

[ 2016年5月26日 09:30 ]

<西・楽>7回4安打無失点の好投で4勝目を挙げた菊池

パ・リーグ 西武7―0楽天

(5月25日 西武プリンス)
 勝負球に選んだのは、117キロのカーブだった。6回2死二、三塁。ウィーラーを三ゴロに仕留めた西武・菊池は、雄叫びを上げた。

 「ピンチでもカーブを使える場面が増えた。あそこは自然とガッツポーズが出た」。唯一のピンチを切り抜け、7回を4安打無失点で4勝目をつかんだ。

 昨年10月。Bクラスでシーズンを終えると、渡米した。目的はメジャー観戦。ドジャースタジアムで行われたナ・リーグ地区シリーズ初戦は、ドジャースのエース左腕・カーショーが先発した。150キロを超える直球はもちろん、縦に割れるカーブも目に焼きつけた。「キャッチボールから凄く丁寧に投げていた。メジャーの一流の投手でも基本を大事にするんだなと」。収穫はあった。

 4月を終えて1勝4敗と黒星が先行すると、女房役の炭谷に言われた。「“剛速球の菊池”から“勝てる菊池”になれ」。5月に入り、110キロ台のカーブを本格的に使い始めた。効果はあった。今月は3勝1敗。前回登板した18日ロッテ戦(QVCマリン)から13イニング連続無失点を継続中だ。

 「カーブは(腕が)横振りになるとストライクが入らない」と、縦回転をかけるフォームを意識する。昨年はフィニッシュの形で三塁側に倒れるシーンが目立ったがバランス良く右足一本で立つ形が増えた。田辺監督は「緩急、カーブが良かった。貫禄が出てきた」。21アウト中、7個をカーブで奪った。

 元ドジャースGMで、現ブルージェイズのダン・エバンス統括部長、パイレーツのトム・ギレスピ国際スカウトが視察する前での快投。菊池は「この投球を続けていけば(自分の)貯金はできると思う」と、手応えを口にした。 (川島 毅洋)

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