ソフトB和田6連勝 武田、バンデンと“ハーラートップ”トリオ

[ 2016年5月26日 05:30 ]

<ソ・オ>6勝目を挙げた和田(中央)の肩をもむ工藤監督

パ・リーグ ソフトバンク5―2オリックス

(5月25日 ヤフオクD)
 ソフトバンクの和田毅投手(35)は25日、オリックス戦で3回までパーフェクトに封じるなど6回0/32失点で11年5月から7月にかけてマークした7連勝以来の自身4度目の6連勝を飾った。20得点以上した次の試合は03年6月18日のオリックス戦から6連敗中だったが、快勝し今季最多タイの貯金14とした。

 22得点の翌日は22年越しの白星をつかんだ。20得点以上の試合はダイエー時代だった03年6月18日のオリックス戦(仙台)以来6連敗中。その一戦で先発していた当時ルーキーだった和田が、13年たったこの日、自らの手で連敗を止めたのだ。94年9月20日の日本ハム戦(東京ドーム)以来22年ぶりの白星だった。

 「(20得点以上の翌日に)投げてたんですか? 覚えていませんね」

 ただ、勝利へのレールを敷いたのはハーラートップタイ6勝目を挙げた和田だった。「野手の方がしっかり点を取ってくれる」と謙遜するが、百戦錬磨の左腕は流れを熟知する。3回までは完全。その3イニングで味方の5得点は生まれる。際立ったのは2回無死、24日に2本塁打したブランコへの3球勝負。初球に139キロを空振りした姿を目視し「空振り(の姿)を見てこれならいけると3球勝負にいけた」。2ストライクから真ん中高めの142キロで空を切らせ、7番から4番に戻った相手の得点源の戦意を喪失させ流れをつかんだ。

 7回無死二、三塁。まだ94球だったが、ボールが抜け始めたこともあり、お役御免。6回0/37安打2失点と本人は物足りない内容だったが「前半を抑えれば打線がしっかり点を取ってくれる意識を持っている。野球をよく知っているね」と工藤監督は一切、相手に流れを与えなかった左腕をたたえた。史上170人目の1500投球回を到達した背番号21は勝負のポイントが見えていた。

 大勝した翌日に負け続けていたのは、打ち疲れなどの要因もあったのだろう。ただ、日本一3連覇を狙うチームには連勝できる柱がいくつもある。ハーラートップタイのあと2人の6勝も武田、バンデンハークと内輪だ。しのぎを削ればチームにも好影響を与えるかと問われた左腕は「結果的にそういうことになればいいですね」と笑う。

 この夜は和田がメジャー挑戦した翌12年に始まったイベント「ルーフオープンデー」。ただ、初体験の感想は「いつもより、蒸し暑かったかな。風は感じませんでした」。夜空の下で上がったマウンドだが、見えていたのは打者とその先にある高谷のミットだけだ。勝利のためだけに研ぎ澄まされた集中力が、35歳の円熟期を支えている。
 (福浦 健太郎) 

 ▽和田(ソフトバンク)通算1500投球回 25日のオリックス8回戦(ヤフオクドーム)で達成。プロ野球170人目。初登板は03年4月1日の近鉄戦。

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