ロッテ香月良、自ら申し出て会見 熊本支援訴えた「僕に何ができるか…」

[ 2016年4月22日 06:18 ]

自ら球団に申し出て被災地への思いを語るロッテ・香月良

 ロッテの香月良仁投手(32)が21日、自らが巣立った熊本の社会人野球チーム、鮮ど市場ゴールデンラークスの復活を願い、声を上げた。

 ソフトバンク戦が雨で中止となったQVCマリンフィールドで、伊東監督やソフトバンクの選手らと募金活動に参加。球団に申し出て会見の場に立つと「個人でできることでは足りない。僕に何ができるか考えた」と、熊本の現状を伝え始めた。

 楽天戦(コボスタ宮城)で今季初登板した14日、熊本を最初の大きな揺れが襲った。すぐに06年から3年間在籍したチーム(当時名称は熊本ゴールデンラークス)の仲間に連絡。選手は熊本を中心としたスーパー「鮮ど市場」で働く。香月良も「菊陽店」の総菜売り場でコロッケを揚げながら野球をしてきた。携帯電話がつながった仲間から伝えられたのは「野球どころではない。会社が存続できるか。それ以前に生きるか死ぬかの問題」という厳しい現実だ。

 ゴールデンラークスはJABA岡山大会出場中だったが途中棄権。鮮ど市場本社は壊滅状態で、熊本市内に戻った部員は、野球のヘルメットをかぶって復旧作業に当たった。彼らは被災者であると同時に「食」の提供という重責も担う。過去2度出場した都市対抗も辞退せざるを得ない状況だ。

 香月良は「僕はここで野球を頑張る、と言っていいのか複雑」と胸中を明かした。悩んだ末、会見を開くことを望んだ。「一番怖いのは被災地が忘れられること。僕の仕事はこうやって発信することだと思った。そのために野球を頑張る」。活躍すれば情報を発信でき、支援の輪も広げられる。千尋夫人(32)の実家もある熊本のため、右腕はマウンドに立ち続ける覚悟だ。(君島 圭介)

 ◆香月 良仁(かつき・りょうじ)1984年(昭59)1月22日、福岡県生まれの32歳。柳川から第一経大を経て熊本ゴールデンラークスへ。08年都市対抗に出場し、同年ドラフト6位でロッテ入団。通算成績は57試合で4勝3敗1セーブ、防御率4.26。1メートル80、82キロ。右投げ右打ち。今季年俸2090万円。

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