安楽 与~田の教えで“フォームの覚醒” プロ初150キロへ手応え

[ 2016年2月11日 08:30 ]

楽天・安楽は早く折れていた右膝を修正。本塁方向に真っすぐに

 日が傾き、静寂に包まれた楽天キャンプのブルペン。1人で傾斜に立つのは安楽だ。ボールを受け止めるミット音に時折、与田投手コーチの声が交じる。「(捕手の)体に向かってくる感じがある」。14年のドラフト1位右腕がうなずいた。

 「1回目のブルペンはフォームが悪かったので、もう一回入った方がいいと思いました。2回目は下半身がうまく使えてボールの回転とか質が良かった」。午前中に58球を投じたが納得できず、午後4時前に再度、ブルペン入り。31球を投げ、ようやくこの日の投球練習が終わりを告げた。

 済美(愛媛)時代は最速157キロをマークしたが、高校2年の秋に右肘を痛めた影響で、プロでは一度も150キロ超の球を投げられていない。かつての剛速球を取り戻そうと、今キャンプでは与田投手コーチと二人三脚で投球フォーム修正に励む。公開中の人気SF映画「スター・ウォーズ」の最新作は「フォースの覚醒」。安楽が目指すのは、フォームを安定させての2年目の覚醒だ。

 意識するのは「右膝の使い方」。投球時に軸足の膝が早く折れ、下半身が生む力をうまくボールに伝えきれないことが課題だった。今は右足で投手板を蹴った後、膝を暴れさせることなく本塁方向に真っすぐ向ける 取り組みを続ける。与田コーチは「体全体が捕手の方向に向かってきている。自分の力をボールに伝えられるようになってきた」と現状を評価し、「10段階で言えば、まだ2か3。10までいけば150キロ台前半は出るようになる」と剛速球復活への道のりを見据えた。

 7日の紅白戦は2回を投げて1安打無失点と結果が伴った。チームはこの日、11日のキャンプ打ち上げ後に沖縄本島で実戦に参加する1軍メンバー40人を発表し、安楽も新人・オコエ(関東第一)らとともに名を連ねた。新人だった昨季はこの時点で2軍落ちしたが「ここで満足したら駄目。これからが勝負」。開幕ローテーション入りを目指し、与田コーチとエピソードを紡いでいく。 (徳原 麗奈)

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