ライアン小川 こだわりの“1足分” 左足位置三塁側に「球強くなった」

[ 2016年2月10日 10:57 ]

セットポジションで左足を昨年に比べて1足分、三塁側に移動している小川

 ブルペンでセットポジションに入った際、ヤクルト・小川の左足の置く場所が変わった。昨季まで両足が平行に並んでいたが、左足を三塁側にスパイク1足分の26センチ入れて捕手に向き合う。「いろいろ試したけど、この形が一番しっくりくる。球も昨年より強くなっていると思います」と手応えを口にする。

 投球の際の感覚は全く違うという。「変えなくていいのでは」と周囲の驚きの声もあったが、直球をファウルで粘られて球数を費やすという現状を打破したかった。「変化しないと成長しない。全身の力を球にロスなく伝えてストライクゾーンで勝負したい」と直球の球威、切れを磨くことを目的に、昨年11月から改良に取りかり、昨オフの自主トレ中から投げ込んだ。試行錯誤していくなかで、「右足の爪先の延長線に左足のかかとを置いた形で足を上げると下半身が連動し、球に効率よく力が伝わる。米国もクレメンスや多くの投手がこの形で投げていた」と、新しい形を見つけた。

 新人の13年は16勝を挙げて、入団から3年間で計36勝をマークした。昨季は投球回数168イニングで11勝8敗。今季の目標は200イニング以上投げて自身初の沢村賞だ。「このスタンスで打者との感覚をつかんで実戦も投げるつもりです」。26センチの微調整。直球で打者をねじ込むニューライアンが見られそうだ。 (平尾 類)

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2016年2月10日のニュース