西武・秋山 放任マルチ 今年は信頼の証ノーサイン

[ 2016年2月10日 05:30 ]

シート打撃で中前打を放つ秋山

 「最多安打男」の貫禄の一打だった。西武が第2クール最終日に実施したシート打撃。昨季216安打のプロ野球記録を樹立した秋山が甘い球を見逃すはずがない。場面が1死一、二塁と設定された1打席目。岡本洋の投じた初球の135キロ直球を捉えた打球は、中堅手の頭上を大きく越えた。快足を飛ばして三塁へ。「今季初安打」となる2点三塁打に観客から拍手が湧き起こった。

 「球を見て、しっかりとしたタイミングで打てた。甘かったにせよ捉えられて良かった」

 2打席目も岡本洋から121キロのスライダーを中前にポトリと落とす技ありの一打。「先っぽだったけど、うまく変化球に反応できた」。田辺監督も「相も変わらずいいね~」と2打数2安打の結果にうなった。昨年のキャンプは右肘の手術から間もなく様子を見ながら調整を進めたが、今年は初日から順調に練習を積んでいる。

 1年前とは立場は変わった。「(昨年は)試されていた。アピールしなれければという気持ちが大きかった」。だが、216安打の大ブレークで首脳陣の見る目は変わった。昨年までのシート打撃では走者を置いた場面でエンドランやバントなどのサインを送られるケースもあったが、今年はノーサイン。期待の大きさが表れている。

 変化はほかにも。個別練習のメンバー表から名前が外れたが、黙々とバットを振り込む。打撃だけでなく、盗塁技術の向上にも挑戦。取り巻く環境は変わっても秋山自身はブレない。「重圧はある。でも、結果が出ないんじゃ話にならないですから」。プレッシャーをも力に変え、さらなるレベルアップを目指す。 (重光 晋太郎)

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