阪神ヘイグ 3Aで2度登板していた!実は四刀流、日本でも?

[ 2015年12月14日 10:55 ]

阪神に新加入するヘイグ(AP)

 虎の新助っ人は、四刀流だった!来季から阪神に新加入するマット・ヘイグ内野手(30=前ブルージェイズ)が、マイナーリーグ公式戦で登板経験を持っていることが13日、分かった。日本球界では投打の二刀流として日本ハム・大谷が有名だが、こちらは三塁、一塁、外野、そして投手までこなす四刀流。来季、緊急事態に陥った場合には、「投手ヘイグ」が実現するかも!?

 マートンの後釜として期待されるヘイグの、意外な横顔が明らかになった。なんと二刀流どころか、四刀流というのだ。

 触れ込みは、今季の3A最高打者。それは、まごうことなき事実だ。今季は主にブルージェイズ傘下3Aで136試合に出場して打率・338、11本塁打、92打点の成績を残し、インターナショナルリーグのMVPに選出された右の中距離砲。球団が発表した報道リリース資料にもメジャーでの通算打撃成績しか掲載されておらず、ポジションは内野手としか書かれていなかった。だが…。新助っ人には意外な「裏の顔」が存在した。

 ゆめゆめ疑うなかれ。動かぬ証拠がある。公式戦登板成績だ。ヘイグのマイナーリーグでの通算成績詳細を調べると、つい最近の13、14年に各1試合ずつ3A公式戦での登板記録があった。言うまでもなく、3Aと言えばメジャーに次ぐクラスで、レベルは日本球界と遜色がない。その3Aの公式戦で、マウンドに上がっているのだ。

 それだけではない。13年にはセーブ機会である3点リードの最終回に登板しているから、驚くしかない。結果的には5失点でサヨナラ負けを喫しているが、14年にも最終回を任され、この時は1回無失点に抑えている。3A通算登板成績は2試合0勝1敗、防御率27・00と正直、芳しくはない。ただし計1回2/3を投げ、イニング数を上回る2三振を奪う実力を持っていることも確かだ。

 三塁、一塁、外野、そして投手…。正真正銘の「四刀流助っ人」であることが判明したヘイグ。日本でマウンドに上がる可能性は限りなくゼロに近いが、その実績を見れば夢を見たくもなる。もしも来季、ベンチ入り投手を使い果たす緊急事態に陥るようなことがあれば…。その時に出場している野手に投手経験者がいなかったら…。奇跡的にも、すべての「たられば」が結集された時。ヘイグがマウンドに上る光景を、目の当たりにできるかもしれない。

 1日には短文投稿サイトのツイッター上で“フライング入団発表”を敢行し、2日にはツイッター上で本紙記者の突撃質問に公開回答。そして今回、驚異の四刀流であることも明らかになった。「しっかり体を作り、早めに来日してキャンプに備えたい」と意気込む優等生。まだまだ、隠れた魅力を持ち合わせている予感も漂う。来年1月下旬頃と見られる来日が、今から待ち遠しい。

 ≪プロ野球での野手の登板≫ 

 ★大谷翔平(日)現在のプロ野球二刀流の代名詞。初めての「野手→投手」は新人の13年8月18日ソフトバンク戦(帯広)で、先発右翼から8回に救援登板。1イニングを無失点に抑えた。

 ★ペルドモ(広)96年内野手で入団し、97年の投手転向を経て、99年に二刀流。同年の17登板中、3度代打からマウンドに立った。

 ★デストラーデ(西)95年5月9日のオリックス戦(富山)先発DHから0―9の8回2死で登板したが、打者3人に1安打2四球と1死も取れずに降板した。

 ★高橋博士(日)74年9月29日の南海戦(後楽園)消化試合のファンサービスで1イニングごとに全9ポジションに就いた。9回に登板、打者1人を打ち取った。

 ★イチロー(マーリンズ)15年10月4日、シーズン最終戦のフィリーズ戦、2―6の8回に右翼から登板して1イニングを2安打1失点。オリックス時代の96年にも7月21日のオールスター第2戦(東京ドーム)で登板している。

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