マートン11試合ぶり打点が値千金V打 “逆らわず”右へ

[ 2015年5月16日 07:42 ]

<中・神>8回2死二、三塁、マートンが右前に勝ち越し適時打を放つ

セ・リーグ 阪神2-1中日

(5月15日 ナゴヤD)
 阪神の頼れる助っ人が徐々に本来の姿を取り戻しつつある。8回、西岡の適時二塁打で同点とし、なおも2死二、三塁から阪神・マートンが決勝打を放った。カウント1ボール2ストライクから又吉の真ん中高めスライダーに食らいついた打球は一、二塁間を破る右前打。4月29日ヤクルト戦で適時打を放って以来、出場11試合ぶりの打点だった。

 目前で鳥谷、ゴメスがともに空振り三振に倒れただけに、中軸の意地を見せた形でもあった。

 打撃不振で10日広島戦は今季初めて先発を外れた。ただ、そのショックを引きずることなく、台風接近の影響でヤクルト戦が中止になった12日には、神宮室内練習場で約20分間居残り練習に励んだ。5番で先発復帰した翌13日と14日の同戦では練習が実を結び、ともにマルチ安打を記録。復調気配を示していた。

 この日は3打席目までいずれも凡退。ただ、直前の6回2死一、二塁は、二塁手が二塁ベース側に寄るシフトに阻まれたが、中前に抜けようかという当たりを見せていた。和田監督も「向こうもかなり研究している中で、冷静に最後は反対方向にマートンらしいヒットだったね」と称えた。

 野球に対するストイックな姿勢を支えるのは、愛するステファニー夫人だ。夫人の誕生日だった5月7日は試合も練習もない完全休養日だった。マートンは、夫人と4人の子どもとともに「ハードロックカフェ」に夕食に出かけ、誕生日を祝ったという。「プレゼントには香水をあげたよ。喜んでくれてよかった」と笑顔交じりに話していた。

 試合後は「マリオ(サンティアゴ)に勝ちがついてよかった」とだけ言い残しバスに乗り込んだ。殊勲の活躍にも視線はすでに翌日に向いている。この日の活躍だけでは、まだまだ足りないし、喜ぶこともできない。首位打者を獲得した昨季の安打製造機ぶりと勝負強さが戻った時こそ、真の復活と言える。

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2015年5月16日のニュース