広島・黒田 2桁勝てなければ引退も「区切りをつけないといけない」

[ 2015年1月17日 05:45 ]

日本ハム・陽(右)とともに自主トレを行う広島・黒田

 ヤンキースからFAとなり、8年ぶりに古巣の広島に復帰した黒田博樹投手(39)が15日(日本時間16日)、ロサンゼルス近郊で自主トレを公開した。来月10日で40歳を迎える右腕は、目標を2桁勝利とし、達成できなければ「区切りをつけないといけないと思う」と今季限りでの引退も示唆。今後も米国で練習を続け、2月18日の沖縄第2次キャンプからチームに合流する。

 広島復帰を決断してから初めて公の場に立った黒田は、悲壮な決意と逃げ場のない覚悟を口にした。

 「先発で回る以上は2桁勝たないといけない。それができなければ、自分の中で区切りをつけないといけないと思う。それなりの責任と覚悟を持って(日本に)帰る」

 メジャー通算79勝、大リーグでは2010年から日本投手最長となる5年連続2桁勝利を記録した右腕。来月10日の40歳の誕生日を前に、進退を懸けて今季に臨むことを明言した。

 大リーグで主力として活躍しながらの異例の日本復帰。ヤンキースからFAとなった今オフ、「メジャー残留」、「広島復帰」、「引退」の3つの選択肢があった。ドジャースやパドレスは20億円前後の年俸を用意していた。それでも古巣復帰を決めたのは「日本で投げずに野球人生が終わった時に、自分の中でどこかで引っ掛かるものがあるんじゃないかと感じた。もし日本に帰るとすれば、今年が最後(のチャンス)だと思った。あと何年野球ができるか分からないし、それを考えたときに、カープの方が一球の重みを感じられると判断した」と説明した。

 広島側と3度の交渉を経て、昨年12月26日に入団の電話を入れた際も途中まで迷いが拭い切れなかったという。大幅減となる年俸4億円プラス出来高払いの1年契約で復帰を決めたのは、毎年米国にまで足を運んで口説いた鈴木清明本部長をはじめとする古巣の熱意。そして何よりも「最後はカープファンの気持ちが大きかった」と自らの復帰を待ち望むファンのために男気を貫いた。

 背番号は広島時代に背負っていた「15」に決定している。「こだわりはなかったけど、カープとして7年間15番を空けてもらっていたというのは凄くありがたかった」と感謝した。この日は、日本の公式球を使ってキャッチボールを行った後、同施設で練習を行う日本ハム・陽岱鋼(ヨウ・ダイカン)とともに補強運動も行った。

 「引退」の2文字を背負い、自ら集大成と位置付ける今季。黒田は最後にこう付け加えた。「日本だろうとアメリカだろうと、結果を残すのは簡単なことではないし、自信は全くない。いつ最後のゲームになるか分からない。悔いのないように準備して、マウンドに上がりたい」。野球人生の最終章が幕を開ける。

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