金子 右肘手術へ 来季開幕微妙、FA国内争奪戦に影響必至

[ 2014年11月26日 05:30 ]

報道陣の取材に応じる金子

 オリックスから国内フリーエージェント(FA)宣言した金子千尋投手(31)が25日、近日中に右肘の遊離軟骨の除去手術を受ける方針を明かした。この日に神戸市内の病院でCT検査を受けて判明。全治は3カ月とみられるが、来季の開幕に間に合うかは微妙な状況だ。金子は24日に今オフの大リーグ移籍断念を表明し、焦点は国内球団による争奪戦に移ったばかりだった。突然の手術公表は、FA戦線に大きな影響を及ぼしそうだ。

 メジャー移籍断念の表明から一夜明け金子から再び衝撃の報告があった。大阪市内で球団主催のパーティー後、質疑応答なしの形で報道陣の前に立ち、自らの口で右肘手術を受けることを明かした。

 「小さめの遊離軟骨が見つかった。複雑なところにあるわけではなく、早く手術を受けたら早期復帰が可能だという判断になりました」

 金子によると、23日に球団の健康診断を受け自宅に戻った後、右肘に違和感を覚えたという。この日の午前中に神戸市内の病院でCT検査を受け遊離軟骨が判明。28日にセカンドオピニオンとして別の医師による診察を受けるが、変更がなければ近日中に手術を受ける予定だ。

 瀬戸山隆三球団本部長は「全治は一般的に3カ月」との見通しを明かした。金子は11年2月にも同じ手術を受けた経験がある。この時は4カ月後の6月に1軍復帰している。再び同じ故障に見舞われたが「1回、経験しているので、そこまで心配していない」と話し、「早く手術をして、リハビリすることによって、来年いい状態で投げられる可能性があるし、いい状態の僕を見せられる」と自信をのぞかせた。

 また、前日に「全て言えないが、いろいろある」としていたポスティング断念の理由については「国内球団から熱心な言葉を頂いて、来年はオリックスを含めた日本球界で頑張っていこうと強く思い、21日に決めた」と話し、23日に違和感を覚えた今回の遊離軟骨とは無関係と強調した。

 ただ、来年3月27日の開幕に間に合うかは微妙な状況。金子獲得に興味を示していた球団が条件面の見直しを迫られるのは確実で、今後のFA交渉に影響が出る可能性は高い。金子は最後に「こういうこともあるが、これからも国内球団の話を聞かせてもらって、自分から報告できればと思う」と話し会見を終えた。

 国内球団との交渉を前にあえて手術を受けることをオープンにした金子だが、進路を決断する時期に、大きなアクシデントに見舞われたのは間違いない。

 ▽遊離軟骨 酷使される関節に繰り返し外力が加わり、関節軟骨や骨の一部がはがれることで発生する。関節の中を動き回る様子から「ネズミ」とも呼ばれる。骨の居場所が悪くなければプレーに影響はないが、場所によっては、神経に触ったり、関節がロックした状態となり支障をきたすことがある。

 ▽金子の11年右肘手術 キャンプで初めてブルペン入りした翌2月6日に違和感を訴え、同9日に遊離軟骨除去手術を受けた。同時に骨棘(こっきょく)も削り、全治2~3カ月の診断。5月5日のウエスタン・リーグ、阪神戦(北神戸)で実戦復帰し、1回無安打無失点。1軍復帰は術後4カ月を経た6月5日の阪神戦(甲子園)で、6回3失点で勝利投手に。出遅れたが最終的には規定投球回に達し、20試合で4年連続2桁勝利となる10勝4敗、防御率2・43の成績を残した。

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