原監督「奇跡の予感」 菅野日本シリーズ間に合う?

[ 2014年10月10日 05:30 ]

笑顔でウオーミングアップする菅野

 クライマックスシリーズ(CS)の激励会を兼ねた巨人のリーグ3連覇の祝賀会が9日、都内のホテルで行われた。原辰徳監督(56)は右肘じん帯部分損傷で戦列を離れている菅野智之投手(24)の日本シリーズ登板について、「奇跡の予感」と表現。チームトップの12勝を挙げ、最優秀防御率のタイトルを獲得した右腕が復帰を果たせば、2年ぶりの日本一奪回へ追い風が吹く。

 原監督が壇上で行ったあいさつの言葉に、1500人が集まった激励会場から大きな拍手が起こった。菅野も原監督の後方で、神妙な顔つきでその言葉を聞いていた。

 「(右手中指の手術を受けた高橋)由伸はまだクライマックスシリーズに出場することができません。菅野智之も、非常に心配されている方は多いでしょうけれども、(日本シリーズの登板へ)奇跡が起こりそうな、そんな予感もあります」

 冒頭の主催者あいさつで、渡辺恒雄最高顧問が「菅野君が故障で出られない。クライマックス、日本シリーズ。それを乗り越えて勝ってもらわなきゃならんので」と話した後だった。チーム勝ち頭の12勝を挙げ、最優秀防御率で初タイトルを手にした菅野抜きの戦いとなる。そんな空気を打破するように、指揮官の言葉は力強かった。

 希望的観測だけでの発言ではない。2日のヤクルト戦(神宮)で2回降板。翌3日に右肘じん帯の部分損傷で出場選手登録を抹消された時には、CSファイナルステージ(15日開幕)とともに、25日から始まる日本シリーズも絶望的とみられていた。しかし、複数の専門医の診察を受け、損傷の程度は当初よりも軽かったもようだ。早ければ今月中旬にもキャッチボールを再開。再び痛みが出ないことが条件だが、日本シリーズで戻ってくる望みを指揮官も菅野本人も捨ててはいない。

 8日のジャイアンツ球場での全体練習で経過報告を受けた原監督も「ターゲットを最後の最後まで持つことは大事。無理をさせることが目的ではない。結果としてそういう形(復帰)になればいい」と話し続けてきた。菅野も「まだまだ諦めるわけにはいかない。可能性があると信じて」と言う。この日もジャイアンツ球場で体を動かした。

 「クライマックスで3勝して、日本シリーズに向かう。接戦に持ち込んで、粘り強く戦って、勝つということをお約束します」

 総力戦で戦い抜き、菅野の復活を待つ。大黒柱が復帰すれば、日本一奪回へ向け、最高にして最大のピースが埋まる。

 ≪菅野右肘痛の経過≫

 ▼2日 ヤクルト戦(神宮)に先発し、2回38球を投げ、3安打無失点で緊急降板。都内で精密検査を受ける。

 ▼3日 球団から右肘じん帯の部分損傷と発表され、出場選手登録を抹消された。

 ▼4日 川崎市のジャイアンツ球場でリハビリを開始。ノースローで筋力トレーニングなどを行った。

 ▼8日 都内で経過観察の精密検査を受け「変わりはありません」と報告。

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