キヨシばんじゃーい!新人・嶺井、プロ初安打が逆転サヨナラ

[ 2014年6月22日 05:30 ]

<D・西>延長10回2死一、二塁、サヨナラ三塁打を放った嶺井(左から2人目)を祝福するナイン

交流戦 DeNA8-7西武

(6月21日 横浜)
 興奮を通り越したDeNA・中畑監督はヒーローの頭を何度も叩いた。1点を追う延長10回2死一、二塁で逆転サヨナラ三塁打を放ったのは、新人・嶺井だ。8回から代走で途中出場。しかも、プロ2打席目の初安打だった。

 「何が起きたか分からなくて…。打った瞬間左翼方向を見ていました」と放心状態。左腕・ウィリアムスの148キロ直球を振り抜いた打球は、反対の右翼フェンスに直撃していた。同点の走者に続き、一塁走者の金城もサヨナラのホームに滑り込んだ。嶺井と抱擁を交わした中畑監督は「たまりません。最高の野球。泣きたいぐらい。ばんじゃーい!」と絶叫した。

 大学No・1捕手として入団も、春季キャンプの1カ月で体重が90キロから13キロも落ちた。心身ともに目いっぱいだった。開幕1軍スタートも4月27日に2軍へ降格。しかし、野球への真しな姿勢はぶれない。

 東都リーグ5連覇を経験した亜大時代から毎日欠かさずつけている野球ノートに反省をつづり、2軍のデーゲーム後も室内練習場で午後9時半までバットを振り込んだ。大学日本代表でともに戦った同期の大瀬良(広島)、梅野(阪神)らで作った無料通話アプリ「LINE」のグループに加入。「みんなの活躍が刺激になる」と話していたが、大仕事に「ウイニングボールは両親に贈ります」とはにかんだ。

 TBS系列で放送中のドラマ「ルーズヴェルト・ゲーム」のように、野球のスコアで最も面白いとされる8―7での劇的決着。嶺井にとっては、野球人生初のサヨナラ打だったが、反省も忘れない。「捕手で失点した反省が大きい。自分が打つ前に試合は終わっていた。まだまだということ」。まだ最下位。チームも嶺井も大切なのはこれからだ。

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