敵地が総立ちに…ジーター弾 エ軍から大きな贈り物も

[ 2014年5月9日 05:30 ]

<エンゼルス・ヤンキース>試合前に行われた、ヤンキースのジーター(右から3人目)の功績をたたえるセレモニー

ア・リーグ ヤンキース9―2エンゼルス

(5月7日 アナハイム)
 今季限りでの現役引退を表明しているヤンキースのデレク・ジーター内野手(39)が7日(日本時間8日)、エンゼルス戦の2回に今季1号ソロを放った。元同僚で親友の松井秀喜氏(39)の引退セレモニーが行われた昨年7月28日のレイズ戦(ヤンキースタジアム)以来、185打席ぶりの通算257号。エ軍戦はレギュラーシーズンでは今季最後で、ジーターは敵地のファンからも熱烈な声援を受けた。

 敵地のスタンドから、「ジーター」コールが鳴りやまない。5―0の2回、打球は左中間最深部に飛び込んだ。親友・松井氏の引退セレモニーに花を添えて以来、185打席ぶりのアーチ。本人は「いい打撃だった」と普段通りクールに振り返った後、「この3連戦でファンが送ってくれた声援には本当に感謝している」と付け加えた。

 ポストシーズンで両軍が対戦しない限り、アナハイムでのジーターは、この日が見納め。8回の最終打席では満員札止め、4万4083人の観衆が総立ちとなった。現役最多で歴代9位の3344安打に加え、誰もが認めるリーダーシップ。「レジェンド」のお別れに敵味方は関係なかった。

 試合前。エ軍から記念品として、「パドルボード」と呼ばれる約4メートルのサーフボードを贈られ「裏庭にでも飾るか」と笑った。プレゼンターはエ軍の主砲トラウト。スターの後継者に期待される22歳と抱擁を交わした。開幕カードで今季最後となった敵地ヒューストンでのアストロズ戦でも特製のウエスタンブーツを贈呈された。昨季のリベラがそうだったように、今後、最終カードとなる各球場で同様のセレモニーが行われる予定だ。

 しかし、ジーターは今季を「お別れツアー」と呼ばれることを嫌う。「“最後のシーズン”と呼んでほしい。勝つために戦っているのだから」。今カードの初戦、5日の第1打席まで14打席連続無安打。ニューヨークのメディアからは長打の少なさも指摘され、先発出場を疑問視する声もあったがバットで黙らせた。

 快勝し、首位オリオールズをゲーム差なしで追走。キャプテンは「結果には満足している。いい試合だった」と笑顔を見せつつも「これからも戦いは続く」と気を引き締めた。感傷に浸るのは、世界一の後でいい。

 ▽松井秀喜氏の引退セレモニーでのジーターの本塁打 昨年7月28日レイズ戦で右太腿の張りから復帰したジーターは初回、式典終了から約5分後にレイズの左腕ムーアの初球を叩き、右中間1号ソロ。6―5でサヨナラ勝ちした試合後の会見では自身への質問を遮り「まず言いたいのは、きょうはマツイの日だ。彼の試合に出場できてうれしかった。これからもずっと最高のチームメートだ」と語った。

 ▽昨年リベラに贈られた記念品 地域色のあるものはレンジャーズのカウボーイハット、ウエスタンブーツやアスレチックスのサーフボード、ドジャースの釣り竿など。打者泣かせの宝刀カットボールに敬意を表したツインズは折れたバットで作った揺り椅子、オリオールズは折れたバットの銅像を贈った。メッツは火消しの意味を込めて消火ホースのノズルをトロフィー風に仕立ててプレゼント。また、多くの球団がリベラの慈善基金への寄付も添えた。

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