来日初サヨナラ弾のエルドレッド「これ以上の喜びない」

[ 2014年4月28日 05:30 ]

<広・巨>11回無死一、三塁、サヨナラ3ランを放つエルドレッド

セ・リーグ 広島3-0巨人

(4月27日 マツダ)
 V吉兆! 記録ずくめの劇勝だ。広島は27日の巨人戦(マツダ)で今季3度目のサヨナラ勝ち。0―0の延長11回、ブラッド・エルドレッド内野手(33)が2試合連発となる8号3ランを放ち、投手戦に終止符を打った。延長戦は開幕4戦4勝で、これはリーグ制覇した91年以来23年ぶり。チーム月間3本のサヨナラ弾がプロ野球タイ記録なら、4月16勝は球団史上初だ。カード連続勝ち越しは5に伸びた。

 最高のエンディングだった。今季最多3万2千人超の大観衆を狂喜乱舞させる、劇的なサヨナラ勝ちでのG倒。古巣からプロ初星を飾った一岡と並ぶお立ち台で、打の殊勲・エルドレッドもまた喜びを爆発させた。

 「打者としてこれ以上の喜びはない。素晴らしい気分。自分のバットで決められたのが嬉しい」

 緊迫した投手戦。0―0で迎えた延長11回だ。無死一、三塁の絶好機。直球を2球ファウルし、カウント2―2から左腕・山口が投じた内寄りに甘く入るスライダーを振り抜くと、快音に弾かれた打球は左翼2階席の移動式売店を直撃した。

 「完ぺきな当たり。打った瞬間に入ったと思った」という、来日3年目での初体験。サヨナラ本塁打は堂林、梵に続きチーム月間3本目となり、球団初、プロ野球最多タイの記録を樹立した。さらに4月16勝が球団初なら、開幕からの延長戦4戦4勝は91年以来の快挙。助っ人のひと振りはあまたの記録を生んだ。

 1メートル96、122キロの巨漢で真面目な性格。キラが離脱した現在は内野のみだが、普段は左翼と一塁両方の守備練習に汗を流し、トレーニングをこなして試合に臨む。22日のヤクルト戦では、判定への抗議で退場処分となった野村監督と同様、一ゴロでベースに頭から突っ込み、勝利への執念を見せた。指揮官は言う。

 「あのヘッドスライディングは鳥肌が立った。試合前に外野と一塁を練習する助っ人もなかなかいない。頭が下がる」

 日本を愛し、異国の野球に真摯(しんし)に取り組む大砲の活躍で、前日の大敗から一転、今3連戦を勝ち越した。開幕前から声高に打倒巨人を掲げる野村監督は「ブラッドが素晴らしい集中力を見せてくれた。チームを成長させる1勝だと思う」と興奮気味に語った。

 初の月間MVPが濃厚な打率・394、8本塁打、23打点。それでも大砲は「気にしていない。優勝すれば自分の野球人生にとっても大きい。カープのために全力を尽くしたい」と殊勝だ。91年を思い起こさせる吉兆、そして勢い。23年ぶりのVへ、好調な右の大砲がチームをけん引する。

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2014年4月28日のニュース