梅野が希望の星!広島3連戦へ打線活気づけるプロ1号

[ 2014年4月28日 07:16 ]

<D・神> 9回2死、梅野は左中間にプロ1号本塁打を放つ

セ・リーグ 阪神4―8DeNA

(4月27日 横浜)
 2位・阪神は27日、DeNA戦(横浜)に4―8で完敗し、連勝が3で止まった。希望の星は梅野隆太郎捕手(22)。9回2死無走者で、三上から左中間スタンドへプロ初本塁打を放った。29日には甲子園に2ゲーム差の首位・広島を迎え、3連戦が幕を開ける。ここで首位を奪うべく、新人が猛虎打線を活気づける。

 凡飛だと思ったのか、打った瞬間、視線を下にやった。テレビでは、実況アナウンサーが「最後は荒波へ…」と中飛での試合終了を前提にしゃべった。梅野は、全力で駆け出す。かすかな望みを抱きながら一塁を回ると、大歓声が起こった。

 高く描かれた放物線。追い風の助けも借り、打球は左中間席に届いた。プロ27打席目で1号ソロ本塁打が飛び出した。

 「最近、代打で結果が出ていなかった。思い切りが自分の良さなのに、小さくなっていた。初球でああいう打球が打てた。初球から打った方が(打てる)確率が高いのかな」

 出番は7回の代打。2球ストライクを見逃して山口に追い込まれ、決め球の152キロ直球に詰まって遊ゴロに終わった。思い返せば、23日中日戦(ナゴヤドーム)で先発マスクを任された際、2度の2死満塁でともに第一ストライクを振らず、受け身になって一飛、遊飛。敗戦の責任を背負った。「この本塁打を機に、上がっていければ」。積極的に振ることの重要性を再認識できた。

 広島3連戦初戦の29日に、SSK社から心強い“相棒”が届く。新しいキャッチャーミットだ。背面はオレンジ系、そして捕球面には一転、黒の皮をあしらった。「投手が的として見やすいように」との意図が込められ、投手の投げやすさを真っ先に考える梅野らしいチョイスが施された。

 「アマチュア時代は、一つの捕球ポケットしかなかったようですが、プロは動く球が多い。どこの面に当たってもきっちり捕球できるように、3つほどポケットがあるモデルに変えています」

 こだわりを同社関係者が代弁する。プロの荒波を生き抜くため、道具にも妥協を許さない。試合前練習から主力と積極的に意見交換する場面も増えた。もう「新人」ではない。「戦力」としての自覚が宿り始めた。

 29日は先発予定のメッセンジャーと組み、23日に続いてスタメンマスクをかぶる可能性が高い。チームは右足甲負傷の藤井が出場選手登録を抹消された26日からの2試合を捕手2人制で臨んだが、広島戦からは清水を呼んで3人制に戻す方針。梅野には代打での出番も増えそうだ。5月1日には大学時代のライバル・大瀬良が先発。ここぞの場面で登場し、勝敗を懸けた対決を迎えるかもしれない。プロ初安打、初本塁打はともに敵地。次は甲子園で、季節外れの「梅」を満開にする。

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2014年4月28日のニュース