「黒子宣言」してたのに…落合GM 谷繁監督に打撃“指導”

[ 2014年2月6日 05:30 ]

落合GM(手前)は小笠原(左)と荒木(右)に見本を見せる

 珍しい光景だった。沖縄・北谷の中日キャンプ。中日の落合博満GMが、打撃ケージ裏でティー打撃をしていた谷繁兼任監督に近づき、身ぶり手ぶりを交えて語りかけた。プロ野球の監督が指導を受ける。しかも、フロントからだ。選手兼任の監督ならではであり、元監督のGMならではであった。

 「バッティングの話かな。“もっと、簡単に考えればいいのにな”というようなことをおっしゃっていた。そんなたわいのない話ですよ」。無言で球場を後にした落合GMに代わり、谷繁兼任監督は説明した。11年11月のソフトバンクとの日本シリーズ。落合監督は極度の打撃不振に陥っていた正捕手に打撃指導を行った。監督としての最後の年だった。あれから2年3カ月。お互いに立場は変わっても、師弟関係に変わりはなかった。

 フロントとして中日に復帰。落合GMは「現場のことは全て任せる」と黒子役に徹するはずだったが、指導者としての血が騒いだようだ。ティー打撃をしていたベテランの荒木に歩み寄って、打撃指導。さらにバットを受け取り、ティー打撃でお手本を見せた。鋭く、しなやかなスイング。60歳とは思えない。巨人からFA移籍した小笠原も荒木と並んで熱い視線を注いだ。監督時代から愛弟子だった荒木は「久しぶりだったんでね。おいおい(実感を)感じていきます」と笑顔。落合GMは荒木に指導した勢いで、隣で打撃練習をしていた谷繁兼任監督にもレッスンだ。

 2日にはブルペンを視察し、投球練習を行った川上にアドバイスを送った。キャンプ休日となった前日にも谷繁兼任監督とともに2軍キャンプを視察。その精力的な動きはどう見ても、「黒子」ではない。「オレ流」全開のGMだった。

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