ドジャース マー君に敏腕スカウト投入していた「ずっと見てきた」

[ 2013年10月23日 06:00 ]

キャッチボールで捕手を務める田中

 ナ・リーグ優勝決定シリーズで敗退したドジャースのネド・コレッティGM(59)が21日(日本時間22日)、今季の総括会見を行い、今オフにポスティング・システム(入札制度)により大リーグ移籍の可能性がある楽天・田中将大投手(24)について初めて言及。スカウトを密着マークさせていることを明かした。今季両リーグトップの球団総年俸2億2039万5196ドル(約216億円)を誇る古豪が26年ぶりの世界一に向け、本気で動きだした。

 シーズン総括の記者会見。その席上でコレッティGMは海の向こうの日本にいる田中に熱烈なラブコールを送った。

 「ずっと見てきたし、彼(田中)がどういう投手かはよく知っている。うちは、2、3日前にも試合を見ている」

 ド軍は今季、国際スカウティング部門の責任者であるボブ・イングル氏を中心に田中を密着マークしてきた。同氏はマリナーズ時代にフェリックス・ヘルナンデス、ブルージェイズ時代はロイ・ハラデー(現フィリーズ)といったサイ・ヤング賞右腕を次々と発掘。敏腕スカウトの投入は、本気度の表れである。

 田中にこだわるのは来季、26年ぶりの世界一奪回が至上命令のためだ。チームは今季ナ・リーグ西地区を制したが、リーグ優勝決定シリーズでカージナルスに敗退。25年ぶりのワールドシリーズ進出を逃し、コレッティGMも「選手の顔触れを考えれば、ここで終わるのは残念でならない」と嘆いた。来季の先発陣はリーグトップの防御率1・83、232奪三振を誇るカーショーに、15勝のグリンキーと14勝の柳賢振(リュ・ヒュンジン)は確定。だがノラスコら3投手がFAで、首の神経痛軽減手術を受けたベケットも計算できない。今季24勝0敗だった田中を獲得できればこれ以上ない補強となる。

 かつて、野茂英雄らも所属したワールドシリーズ6回制覇の名門。昨年3月にはNBAレイカーズのスーパースターだったマジック・ジョンソン氏も名を連ねる投資グループ「グッゲンハイム・ベースボール・マネジメント」がオーナーとなり、潤沢な資金力で補強に積極的な動きを見せている。昨オフは柳賢振やキューバ出身の外野手プイグと大型契約。この日もキューバから亡命した内野手ゲレロと4年総額2800万ドル(約27億円)で契約し、同GMは「その方針は変わらない」と強調した。

 ヤンキース、レンジャーズなど多くの球団が田中獲得を目指しており、米紙では入札金が過去最高の6000万ドル(約58億8000万円)に達すると予想している。ヤ軍と1、2を争う資金力を誇るド軍の本格参戦。田中をめぐる争奪戦に、拍車が掛かってきた。

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2013年10月23日のニュース