上原がサヨナラ被弾“セオリー外”同点の9回登板「切り替えてやる」

[ 2013年10月9日 06:00 ]

<レイズ・レッドソックス>9回2死からロバトンにサヨナラ本塁打を浴び、歓喜するレイズを尻目に引き揚げる上原

ア・リーグ地区シリーズ第3戦 レッドソックス4―5レイズ

(10月7日 セントピーターズバーグ)
 レッドソックスの上原浩治投手(38)が7日(日本時間8日)、痛恨の一発を浴びた。レイズとの地区シリーズ第3戦に4―4の9回から6番手で登板。3人目のホセ・ロバトン捕手(28)にサヨナラ本塁打を許し、2/3回を1安打1失点で敗戦投手となった。レイズ戦はポストシーズンを含め今季12試合目で初失点。まさかの被弾で、チームの地区シリーズ突破はお預けとなった。

 打球の行方を確認した上原は、両膝に手をついたまましばらく動けなかった。9回。3球で2死をとったものの、ロバトンには2球続けたスプリットを狙われ、真ん中低めの81マイル(約130キロ)を右中間席に隣接する球場名物の水槽に運ばれた。サヨナラ被弾。喜ぶ相手ナインを横目に悔しそうにマウンドを降り、ベンチ裏へ消えた。

 「一発があるというのは分かっていたけど、一番打たれてはいけない場面で打たれてしまった。自分の実力がなかったということ」

 まさかの結末だ。今季レギュラーシーズン73試合登板で被本塁打は5本。7月以降は1本も打たれていない。レイズ戦も11試合で無失点と完璧な投球を続けロバトンはメジャー通算4年間で9本塁打の控え捕手。「あまり印象がない」と語ったように過去2打席はともに抑えた。5日の第2戦でも、スプリットで空振り三振に仕留めていた。

 サヨナラ本塁打被弾はレンジャーズに所属した11年以来3度目でポストシーズンでは初の屈辱。ジョン・ファレル監督は「スプリットを狙われていた。相手がうまく打った」とかばったが指揮官の采配が裏目に出た格好だ。先攻のチームが同点の場面で守護神を投入するのはセオリー外。抑えた場合は延長10回も続投予定だったという。まだ控え投手は残っていただけに2勝しているチームとしては起用法に疑問が残った。

 11年のポストシーズン。上原は3試合連続で被弾し、ワールドシリーズの出場選手登録から漏れた苦い経験がある。悪夢の始まりは、この日と同じレイズとの地区シリーズ(第2戦)だった。それから2年。今や絶対的な守護神となり、当時とは立場も信頼も異なる。主砲オルティスも「彼は違う星から来たわけではない。うちのベストピッチャーが難しい球を打たれたんだ。相手を褒めるべき」と擁護した。

 1敗しても有利な状況は変わらない。「打たれたものは仕方ない。終わったことは取り返しがつかない。切り替えてまたあしたからやる」。前向きな言葉で雪辱を誓った姿が、成長の証だった。

 ≪39試合ぶり被弾≫上原の今季の被本塁打は6本目で、6月30日ブルージェイズ戦でバティスタに被弾して以来39試合ぶり(ポストシーズンを含む)。また、レギュラーシーズンでは1敗しか喫しておらず、9月17日オリオールズ戦以来2度目の敗戦投手に。また、レイズ戦失点は11年以来≫上原のレイズ戦での失点は11年レンジャーズ時代の地区シリーズ第2戦でロンゴリアに3ランを浴びて以来。昨季は4試合、今季は11試合連続無失点に抑えていた。

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2013年10月9日のニュース